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春画 [本]

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いま、ロンドンの大英博物館で『Shunga』展が行われているのは、以前「過ぎたこと、過ぎて行くこと」でSeptember30さんに書いて頂き(日本春画考 http://blog1942.blog132.fc2.com/blog-entry-645.html)、観てみたいなぁと思っていた。

詳しくはSeptemberさんのブログを読んで頂ければいいけど、春画は性をモチーフとしているので枕絵、秘画、ワ印などと呼ばれ、嫁入り道具に加えられたりなんてことも耳にしたことがある。あまり知らない人は春画といえば拒絶の方向に行く印象があるけど、当時の美、技術、ユーモアを注ぎ込まれて作られたものが春画で、菱川師宣、葛飾北斎、鈴木春信、歌川国芳など、有名無名問わず無数の浮世絵師が全力投球した一大ジャンル。

実際直接見ればこれが刷られたものかとじっくり見てしまう事間違いなしだ。その内容は江戸時代には「笑絵」とも呼ばれたように、登場人物が情事の最中に犬にほえられたり、浮気現場がばれたり、性と笑いが同居したものが多く、あまりジメジメした陰湿な感じはない。「馬鹿夫婦 春画を真似て 手をくじき」なんて川柳もありますしね。

そんな説明は素人の私がしても始まりませんが、これほどの規模での春画展はなかなかないようで、そもそもの日本でこの春画展が開催されないのはつくずく残念です。

ところがそんな春画を特集した雑誌を見つけました。『和樂』2014年1・2月合併号です。ちなみにページの背景はあの葛飾北斎の『喜能会之故真通(キノエノコマツ)』。女性がタコに・・・というこの春画はSeptemberさんのブログにも出ていて、バックの読みずらい大蛸と海女の言葉もしっかり活字にして頂いています(ぜひ一読をお薦めします)。さらに『和樂』にはなんと袋とじで歌川国貞の春画がついているようです。
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コメント 6

H.O

以前僕もSeptemberさんの所で拝見させて頂き同じように感じました。本来日本の物なのに日本ではご法度的な扱いを受けてしまっておりますから皮肉な限りです。
有名な浮世絵師の作品でありながら・・・。

難しいですよね、性に関する事って。こんな事を申し上げたら何処からか叱られそうですが、現代だってエロ大国日本ですから逆に不思議な事も沢山あります。^^;
ま~僕は文学にも乏しいですからSeptemberさんや川越さんのように解説はできません。^^;
by H.O (2013-12-16 12:52) 

川越

>H.Oさま、こんにちは。
私も文学や音楽、その他全くダメダメ君なので、解説なんてとんでもないです。でもこのくらいは本が見つかればなんとか。
日本はいろいろなところがダブルスタンダードでいびつですから、難しいですよね。おまけに議論ができずに感情論の戦いになりがちですし。

でも春画はエロという感じはしないですね。昔はこれがエロだったのか、今のエロが陰湿になりがちなのかな?昔の日本はエロに関してもおおらかで、もっと生活に根ざしたものだったのかもしれないですね。全然根拠はないですけど。
by 川越 (2013-12-16 13:16) 

see6969

今も昔も日本は世界一クレイジーな国ですね^^
そんな風にもっと感じれればと思いますが、
それを一々アピールしないのが日本ならではでしょうか?
僕は最近そう言うお国柄が好きになって来ています^^
by see6969 (2013-12-16 18:37) 

川越

>see6969さま
難しい事はわかりませんが、たぶん日本国内だけで考えていると、これまでの日本人の感性っていうのは、うまい事やって行くには都合がいいんでしょうね。お互いにたいがいの事はわかっていて、その上で曖昧な仕草でお互いがお互いを察するというか。でもそこに全く違った感性やセオリーを持った人が入って来るとややこしくなるんじゃないでしょうか。わからないですけどね。なにはともあれ、私も日本は良い国だと思っています。なかなかこんな国はないですよね。まっ、かなり変化して来ているとは思いますけど。
by 川越 (2013-12-16 18:48) 

みそのパパ

いろいろな事情があって、ここで腕を振るう大物もいたらしいですよ。たまたま読んだ雑誌に春画浮世絵の話が載ってました。たまたま、ですよ。


by みそのパパ (2013-12-16 20:57) 

川越

>みそのパパさま、こんにちは。だいぶ寒くなりましたね。こちらでもすっかり冬になったような感じがします。そちらに比べれば気温はまだまだかなりぬるいですけどね。

春画は大物浮世絵師が名を隠してやっていたり、いろいろあったようですね。私はそこいらへんの事はさっぱりですが、何十にも刷り重ねた絵は素晴しいと思います。でも日本が誇れるものなのに、どこかで恥ずかしさがあるのか、展覧会が開けないというのは残念です。
by 川越 (2013-12-16 21:38) 

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