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久々のアマゾン むらの鍛冶屋 [本]

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凝り性という言葉があるけど、自分はそんな性格をほんの少しだけ持っている。でもとことん突き詰めるほどの根性も集中力もないのがほんとのところ。ムラッ気も多いしね。

で、以前土佐の古い斧を手に入れた話しをしたし、最近も古い土佐の鋸を手に入れた。そのどちらもなぜか惹かれるものを感じて、ついついネットで情報を探るけど、ネットの良いところは、誰もが知りたいと思うような情報は簡単に見つけられるところ。

でも欠点もある。それは「ほんとに知りたいことは、まず出て来ない」ってこと。それでどうしても書物をあさることになるけど、今はアマゾンという便利な本屋があるので、いろいろな単語で検索して面白そうなものが探し出せるのが嬉しい。

この本は1986年に出ていて、内容の6割以上を土佐の刃物に割いている。林業や製材業の道具作りを得意としていた土佐でも、今は鋸鍛冶はいないし、斧の鍛冶屋だって形ばかりと言ったら失礼だけど、求められない道具は作り続けることも業を伝承することもできないわけで、これはしょうがない。

でも先日の鋸ももしかすると100年前の鍛冶屋のものかもしれないし、玉ハガネが使われているのかもしれない。もっとも玉ハガネといえども良いものは刀鍛冶に行き、こういう道具用には一番どうでも良いようなものがあてがわれたらしい。

刀鍛冶や丁寧な大工仕事と違って、木を切ったり削ったり大雑把な仕事のためには、上等な鉄は使えなかったのだろう。それに洋鉄が使われだしたのは明治20年以前という話もあり、刃物としての性能は質の良くない玉ハガネよりもずっと良かったようだ。もちろん値段もあり、材料費は1/4、手間は1/5だったというから、洋鉄に替わるのもノコや斧がチェーンソーに替わったように必然だっただろう。

でもときに拘り屋さんの鍛冶屋がいることも確かで、現在でも一番使いやすく(研ぎなどを含めて)、気持ち良く切れて、切れ味が持続するのは昔作られた玉ハガネの刃物という話もある。その違いがわかる人も少なくなっているだろうけど、こういう話しはワクワクする。

同じような鋸で歯を打ち直したんじゃないかと想像できるものも手元にあるけど、この鋸の材質や手打ちの秘密を想像するのはとても夢のあることだと思う。そんな夢を想像するにもある程度の知識が必要だけど、この本がそれを少し手助けしてくれたら嬉しい限り。
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