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鋸の目立てと汚れ落とし [研ぎと目立て]

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今日は久しぶりに日が差した。冬も近いし薪の用意もしなければいけないので、大きな鋸の目立てを済ませることに。大工用の鋸と違って歯が大きいので目立ては簡単。とはいえ、ヤスリの角度を正確にしなければいけないので、まだまだ上手くやるには時間がかかる。

この鋸は古い土佐のもので、長さ100 センチ、刃渡り71センチ(2尺4寸弱)、 巾 17センチ、重さ1.7キロ もある。うちにある鋸では最大のもので、木曽の木こりが使ったものらしいけど、窓鋸でもないしまだ玉鋼の時代の明治初期、あるいは大正のものかもしれない。銘は土佐の名鋸鍛治の直系らしきものが記されているけど、真偽のほどはわからない。

目立てとすり込みで歯型が変わっているんじゃないかと想像するけど(手元の鬼歯がないし)、板の狂いもなく大事に使われていた印象がある。刃先が1本飛んでいるのが残念だけど、幸い引っかかるほどでもないので、使っているうちに修正できるかもしれない。まぁ、先の先の話だけど。

実用で使われていたものらしく、歯や板には木材の脂が固まっているので、それも丁寧にそぎ落とす。板に傷をつけたり板自体を削ってしまうと、薄い鉄板でできている鋸は簡単に狂いが出るので慎重に。でも鉄色が漬物のナスのようにナス紺色で、赤サビとは違いうまく錆びている。昔の職人たちはこの色が出ると「仕上がった」と言ったらしい。

材質の問題か、焼き入れの問題か、ヤスリが乗りやすく目立てはしやすい。山で仕事が終われば夜毎に目立てを繰り返した杣人には、ありがたい道具だっただろう。

使い心地はやはり自分には少しだけ長すぎるけど、乾いた堅い木でもよく刃がかかり、切り屑の排出もよくて切れ味はいい。これなら仕事がはかどっただろう。
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