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天然砥石に迷う [研ぎと目立て]

奥殿天井巣板.jpg

刃物好きが高じて、海外のナイフや国内の刃物をいくつか使っていて、当然それらの刃物を研ぐために、これまた海外や国内の砥石がそれなりに手元にある。

まぁ綺麗な四角で肉厚のある砥石は高いので、もっぱらクズみたいな10センチほどの小さい砥石を手に入れている。というか、それしか手に入れられないんだけど(^^;

それはそれで身分相応で仕方ないけど、最近手に入れた砥石は京都の仕上げ砥石として有名な「奥殿の巣板」と区分けされるもの。安いので小さくて形はいびつだし傷はもちろん、筋も穴もあって流通する砥石としての価値はとても低いもの。

だけどこの砥石、今まで使っていた仕上げ砥石よりも繊細な刃が付けられる。それはいいことでもあるけど、今まで仕上げで使っていた砥石が「あれっ、こんなもんだっけ?」と感じてしまうし、実際切れ味がはっきり違い、「う〜ん」と唸っている。

例えばこれまで産毛を剃ると「プンッ」とか「ブツッ」と切れて産毛がピンピンと飛んでいたのに、さらに繊細な刃が付くと、今までよりも抵抗なく切れ込んでいるのか毛が音もなくはらりと落ちる。でもかみそりの切れ味はさらに上をいくはず。研ぎの道は果てしないかも。
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FFfreak

 いやー、マニアックな世界ですねー。
「ウブ毛が・・」のくだりは、楽器の音色とかのような別次元のお話を拝聴する感じです。

 私のいた世界に俗に「ささっぱ」という刃物があり、作業者が自分で造る工具があります。
 発電機などの重量物の軸受けは滑り軸受です。大荷重を受けるためホワイトメタルという柔らかい合金を使いますが、これを手作業で削るための道具です。砥石で研ぎあげて笹の葉みたいな刃物だからでしょうか。
 手で均等に削って手のひらで撫でて、平滑度合いをみるのです。何十トンという発電機のシャフトを支え、異音なく回すんです。
 大工業製品にも極所においては手工業です。


by FFfreak (2018-07-17 04:50) 

川越

>Freakさま
「ささっぱ」、いわゆるスクレーバーのような道具なんでしょうか。しかし人の手というのは本当に敏感で、パイプの径も0.2ミリくらいの違いは30分もすればすぐに判断できるようになりますよね。

平滑度となるともっとシビアな世界でしょうから簡単ではないと思いますが、手作業は旋盤では出せない平面も出せるわけで、人間も馬鹿になりません。とはいえ、私はまだ砥石の平面も出せないんですが。(^^;
by 川越 (2018-07-17 07:33) 

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川越さま
 猛暑お見舞い、申し上げます。本日冒頭の写真ですが、被写体である砥石の表面に走り書きされた文言は何でしょうか?取り扱い業者が商品区分を目的として付けたメモでしょうか?普通に読めば、「奥殿山頂天井から八枚あがり」と解読出来そうです。
 また、その縦書きの文言の右隣に捺された印章「^^光」は、流通業者の社印でしょうか?
 お時間有りましたら、ご教示下さい。お元気で。
by お名前(必須) (2018-07-17 10:45) 

川越

>Yozakuraさま、こんにちは。毎日暑いですね。
この砥石に書かれている文字は御察しの通り、砥石が取れた山と層の名前が書かれています。右にあるのは砥石屋さんのマークです。砥石は取れた山でそれぞれ特徴があり、さらにいくつもある層の中でも違いがあります。でも後になるとわからなくなるので、一つ一つ書かれているんだと思います。私たちはそれを見て、欲しい石を判断します。でも実際は使ってみるまでわからないことも多いです。

by 川越 (2018-07-17 11:07) 

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