KOMURA− 80mm/f1.8(M42)三共光機 [レンズ]
フルメンテナンスをお願いしていた、三共光機のKOMURA− 80mm/f1.8(M42)レンズが完成した。どうやら相当大変な作業になったようで、申し訳ない感たっぷり。でもこのフルオーバーホールで、たぶん死ぬまで安心して使うことができそう。
1963年には既に生産されていなかった古いレンズなので、軽く60年以上前のもの。それが普通に使えるだけでも喜ばなければならない。手に入れたのはもう20年くらい前になる。
レンズ自体はもともとカビも曇りもなかったけど、ヘリコイドのガタがあったり、グリスが切れてきたこともあって今回のメンテナンスをお願いし、なにもかもスッキリくっきり綺麗になった。
比較的小型のレンズだけど、真鍮製でずっしり重いのはなんとなく高性能レンズのように感じるけど、実際は相当変なレンズで、収差も酷い。でもそこが魅力のレンズでもある。これがどんな写りになって戻って来たのか、ちょっと怖いとこでもある。
メンテナンスはこんな感じに全て分解してやっていただいた。でも手持ちのレンズはこれまでお願いした球面ズミ35ミリ、ズマール、このコムラーと散々手間をとらせてしまったので、これ以上お願いするのはちょっと気が引けてしまう。あと4本くらいやってもらいたかったんだけどなぁ。
KOMURA− 80mm/f1.8(M42)三共光機
コムラー
名前は知っていました。触ったことも観たこともないです。
ロマンを感じます。
ボケから想像するに球面レンズのみの構成のようですが、個性があって面白そうです。
by minton (2022-06-16 18:48)
> mintonさま
このレンズのブランド、コムラーはもう60年以上も前の会社です。85ミリ、f1.4なんてプラナーもビックリな大型レンズもありましたが、開放ではちょっと使いづらいレンズでした。基本的にはあまり高級レンズではなかった気がします。
80ミリのこのレンズはサイズも重量も、そして開放での写りも85ミリよりずっと良いのですが、どうやら極短命のレンズだったようです。もちろんこの時代の廉価版(でもないのかな?)レンズなので、非球面レンズなんて使っていません。
と言うか、非球面レンズ自体が特殊なレンズだったように思います。ニコンのノクトニッコールやライツのノクチはいつごろ出たんだったかな?とにかくべらぼうな値段だったように思います。
昔はカメラメーカー純正レンズが王道で、コムラーやレンズメーカーの安いレンズは収差が多くて、使い物にならないと言われていました。でも今となってはその収差のおかげで面白い写りが期待でき、メーカーによって個性があるのが楽しいです。
今のレンズは超高性能で、開放からキリリとシャープ、絞りは露出のためにある感じで、どのブランドもあまりに優等生で差別が難しく、ちょっと物足りない感じもありますね。でもこういうのは「ないものねだり」ですよね。私は手持ちの古いレンズで遊ぶのが面白いです。
by 川越 (2022-06-16 19:42)