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カンジキ [田舎暮らし]

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雪国の冬に欠かせないのがカンジキ。昔は1日に何度もこれを履いて雪を踏み固めて道を作ったらしい。さすがに今の時代にはそこまでのことはほとんどやらないけど、家の周りの雪を捨てる時などは、同じことをしなければならないし、カンジキを履かないと腰まで潜って身動きが取れなくなる。

ところでこのカンジキ、先日雪堀を手伝った時に年寄りに教わったことがある。曰く「カンジキを履く時はすぐに緩んでは仕事にならないが、脱ごうと思った時には力を入れたら脱げるように縛らないといけない」と。

雪下ろしで怖いのは実は屋根から落ちることだけではない。落ちても既に雪が数メートルも積もっているので、年配の方でなければそれほどひどいことにはならないのだ。それよりも雪と一緒に落ちて埋もれてしまうのが怖い。

全身が埋もれなくても、体半分が雪に埋まれば自力で這い出すのは難しい。固まった雪は想像以上に固くて重く、ましてやカンジキが付いていたら足を抜き出すことは不可能だ。雪に埋もれて低体温症に陥り凍死するまでの時間は30分余りと短い。

落ちてきた雪に埋もれるばかりでなく、斜面に溜まった雪の上に乗るとあっという間に体が沈んでしまう。カンジキを履いていても潜る時はもぐる。そばに人がいればいいけど、雪降りの日に外に出ている人はまず自分の家の周りの雪堀なので、声を出して聞こえる距離ならいいけど、自力で脱出できなければ終わり。雪国では凍死のきっかけは案外身近なところに潜んでいる。
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