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京都の天然砥石 奥殿本巣板羽二重 [研ぎと目立て]

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今日、ヤフオクで入札した奥殿(おくど)本巣板羽二重という京都の砥石が手元に届いた。例によって1,000円程度で手に入れた厚さが6ミリもない小さいもので、普通はクズ扱いで商品にならないもの。でもこの模様、カラスとは違うのかな?よくわかりません。

ところでこの砥石、相当研削力が高いのに粒子が細かくて微細な刃がつく。それに硬くて平面の維持力が高く、刃先が正確に出せるし、研ぎながら何度も平面の修正をしなくても済むのが嬉しい。それにこれだけ硬いと6ミリとはいえ、使い切るまで4〜5年は楽しめそうだ。

一般的には研削力が強いのは粒子が粗いからよく削れるわけで、その場合は微細な刃先は仕上げ砥石でつけなければならないけど、この小さな砥石はよく削れるのに、仕上げ砥石のような刃先になる珍しいタイプ。

砥泥はほとんど出ないのに水の中に刃物の粉末が混ざって見えてくる。他の砥石との顕著な違いは、研いでいると削れた金属の微細な黒い粉がすぐに酸化して茶色に変色するところ。上の写真でも砥石の下の方に溜まっているところはまだ黒いのに、上の方の薄い層になっている微細な研ぎ粉はカメラを持つ間に茶色くなっている。

昔から奥殿の巣板は最上の評価だったらしいけど、その片鱗が見えた感じがする。ただ今のところ鋼、地金にはとてもいいけど、ステンレス系の刃物には最高とは言い切れない感じもある。この辺はもう少し使い込んでみないと判断は難しい。

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砥石自体はあまりに薄いので使いにくいけど、他の砥石のように木の板に貼り付けると木が反ってきて砥石が割れてしまうので、今回は厚さ2.5センチほどの天然の石に貼り付けることにした。これなら反ることもないし、重さもあって安定する。
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