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いよいよ雪との戦いが始まった [いなかの伝承]

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今年はクリスマスが過ぎても雪が降らず、ずいぶん楽をさせてもらったけど、ついに降り始めてしまった。結構な振り方なので明日にはそれなりに積もるだろう。まぁ、これが本来の姿でもある。頑張ろう。

ところで、この木で出来た鍬(すき)は以前のこの家の住人が置いていったもので、そのまま使わせてもらっているけど、常々どうして木で出来ているのかわからずにいた。昔の人ならいざ知らず、現代では鉄製の鋤でも鍬でもシャベルでもあるので、わざわざ木で出来たすきを置いている理由がわからなかった。

この道具、こちらの方言で「こすき」とも言うらしい。漢字で書けば「木鋤」である。ねばりがあり、折れることなく、かつ軽いブナで作るという。「こすき」の形は鋤に似ていて刃が広い。必要な用具だからどの家でもあるし、今でも店先で売っている。

でも今では雪堀の道具は便利になり、金属製でもアルミやステンレスなどいくらでもある。雪を退かすにはエンジン付きのものもある。それでもどこにでもこの木の鋤が置いてあるのはなぜ?

それは万が一雪に埋まった人が出た場合に、いち早く掘り出すためには体を傷つけにくい木の鋤でなければならなかったのだ。金属の鋤やスコップでは体を傷つけてしまい、場合によっては致命傷にすらなりかねない。低体温症で死ぬまでわずに30分。傷つけないようにのんびりやるわけにはいかないから、こすきはなくてはならない道具だったのだ。

気がつかなかった。雪に埋もれるのは山で雪崩にあうときばかりじゃない。屋根から落ちたり、雪深いところに沈んだり。人力で助け出すには不可欠の道具だったのだ。今更ながらにやっと気がついたけど、遅すぎるよなぁ。
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