2006年、スリランカ。スリランカと言えば2004年12月に突然襲った津波がショッキングなニュースだった。1年半が過ぎているとはいえ、現地では海岸線にあったという小さな家はことごとく流されて、そのあとに海岸線に延々と墓標が並んでいた。


移動ではバスや鉄道もあったが、調べるほどに不安になり結局飛行機を利用したが、現地には夜中に到着。予約していたホテルではトリプルブッキングなどは当たり前で、カウンターで直接交渉が必要だった。翌朝は空港に入ったら「こんな飛行機はない!」と航空チケットを見せても入れてくれない。フライトの時刻は迫るし、「こんな便はない」とか「別の空港だろう」といわれて途方に暮れてしまった。

タクシーを捕まえて聞いてもわからず、うろうろしていると「そこに連れて行く」とドライバーが話しかけて来た。連れ合いと乗り込むと車は空港を離れどんどんジャングルの奥に入って行く。「こんなところに空港があるのか?」と不安になりつつ乗っていると、「ここだ」と止めたところはなにもない空き地。

「こりゃヤバイ!」と思ったが、相手は男2人でこっちは女連れで土地勘もないし、ジャングルの中に置いて行かれたら・・・それより最悪の事態も頭をよぎった。

が、相手は金が欲しかっただけのようだ。そこで「空港まで戻ったら」と言い張り(こんな交渉がよくできたものだが)、戻ったところで最低の代金だけを渡して逃げて来た。

しかたなく再度空港に入ると、今度はあっさり入れてくれる。おそらく最初は賄賂を要求していたのだろうと、あとから気が付いた。フライト時刻には間に合わなかったが、幸い小型水上飛行機は待っていてくれた。