新潟の松代に何度か出かけ、どうやらそこに住むことになりそうだけど、この辺りではまだまだ地域の仲間意識が強く残っているらしい。それが外からの人間に対して拒絶の形にならないのは幸いだけど、地域に馴染むにはそれなりの努力も必要になるんだろう。都心部とは違い、自然が当たり前の地域ではたぶんどこに行こうがこういう傾向は残っているのだと思う。

ところで先日、少し古い本を手に入れてみた。「越後南魚沼民俗誌」というタイトルで、昭和46年とあるのでかれこれ42年ほど前のもの。本は100年前でも普通に読めるのがいい。それにネットでは日本全国からいろいろな本を選べるのは便利だ。中身が確認できないのがちょっと辛いところだけど、知らない本でも探せるのは不便を凌駕する。

さらっと読んだところによれば「血の繋がりのない親族の集まり」が村だという。この「村」というのは、現在の行政による区分から生まれたものとは違い、生活に根ざした小さな共同体という意味合いが強いようだ。こうした意識が現在も残されているかどうかは別として、興味深く面白そうな気がしている。雪が積もってやることがなくなったら、囲炉裏でじっくり読んでみよう。

南魚沼は移住を予定している十日町とは山を隔てた向こう側になるけど、内容は民俗誌なので、それこそいろいろ。住居、服装、仕事、食べ物、村、家と親族、年中行事に祭り、神祭、呪法、言語に諺、謎などなどで、農具の使い方やら種まきの季節、いろいろな文化的要素を伺い知るにはいいような気もするし、生活にも少しは役立つかもしれない。