「お茶処 はぎ」の自家製果実酒

八ヶ岳の麓を走る小海線。その甲斐大泉の駅前を走る道を天女山に向かって登って行くと、左手に「お茶処はぎ」があった。名前の通り、本来は店主自らが台湾などから持ち帰ったお茶を楽しむところだが、初めてここを知ったのは、2005年の秋にお店の前に出ているメニューにあった「きのこ汁」という言葉に目が止まってからだ。日々オープン前に山から採って来る茸が加えられ、何十ものきのこが入ったスペシャルキノコ汁は、とても複雑で深い味がした。

天女山の頂上にマウンテンバイクで舞い降りた天女・・・ということにしておこう (^^;


それから八ヶ岳に行くたびにおじゃまするようになり、いくつものきのこや山菜、キノコが生える場所も教えて頂いた。「年に1つでも2つでもいいから確実に覚えることが大事」と教えて頂いたのはいまでも忘れない。春は山菜、秋はきのこと、季節ごとに美味しい料理と、自家製の果実酒やケーキ。やさしいご夫婦のもてなしは私達にとってかけがえのないものだった。

この写真の中には毒きのこも入っています(^^;

ご主人の野口午郎さんの訃報が届いたのは、2009年の秋が近づいた頃だった。長く癌と戦っていたことは後になって伺ったが、いつの日かまた「お茶処はぎ」の前を通ったときに、入り口の扉が開くことを信じて、今年はいつ八ヶ岳に行こうかと思案中だ。