都心から山梨に抜ける青梅街道は、江戸城の大改修に当たって白壁用の石灰が大量に必要となり、石灰を運搬する道として整備されたらしい。JR青梅駅からその青梅街道を5分ほど走ると、ひときわ風格のある木造の屋敷が道路の右側に現れる。「旧稲葉家」と案内板が立っているが、江戸時代後期に建てられた木材や織物などを売っていた商人宅だという。

正面玄関を腰をかがめながら入ると、「昔の人は小さかったんだなぁ」と、今更ながらに思う。中に入ると「この建物はもう200年以上もこうして建ってるんですよ」と、管理人さんが声を掛けてくれる。床板は鏡のように磨かれ、窓の外からの光を今でも静かに反射し、当時の盛況を偲ばせる。


奥多摩駅を過ぎて小河内ダムを見ながら丹波川に沿って先を急ぐと花魁淵が現れる。いろいろと伝説の残る淵だが、実際の場所は別の所らしい。とはいえ、この辺りから先は病ヶ沢、骨窯、食わない作り、生首、位牌山、しんぼち、など忌み地も多く、地名もちょっと変わったものが多くなる。恐い話しが好きな人にとってこのエリアは興味深いのではないだろうか。でもキャンプはしたくないなぁ(^^;


奥多摩駅から40キロで柳沢峠。ここは地形的には峠なので東京と山梨の境になる場所だけど、実際にはもっとずっと手前から山梨県になっている。天気がよければ正面に富士山が見えて、絶景が楽しめる(この写真は春のもの)。


峠から塩山までは下りなので、途中の裂石温泉(混浴)で一汗流して行くのがいい。ただ宿泊客以外は13時までなので、ちょっとつらいかも。お湯はぬるめで湯船も広くて気持ちがいい。