先日、房総半島の小湊鉄道と久留里線を使ってサイクリングをして来た。房総半島と言っても海岸線は全く走らず、房総半島中央部を走る久留里駅から久留里城を見て、養老川を南下。亀山ダムを渡って細い道を七里温泉に向かい、静かな道をのんびり気ままに走って来た。内陸部だけだったが温泉があったり炭焼き小屋があったりと、サイクリングにはなかなか良いコースだった。


一番良かったのは茅葺きの古民家で、この民家自体は前にもここを走っていたから知っていたのだが、この日はたまたま門が開いていたので厚かましくも「こんにちわ〜」と、おじゃましてみた。



茅葺きの農家にしては驚くほどの大きさで、玄関にも人が軽く20人は入るスペースがあり、玄関とその入り口だけでちょっとした2DKくらいはありそうだ。中ではりっぱな1枚板の座卓を囲んで、親族が集まって歓談していたが、快く上げて頂き中を見せて頂いた。きっとみんな見知らぬ親父が乗りこんできてビックリしたんじゃないかと思うけど、そんな素振りを微塵も見せず応対して頂いた。みんな気持ちに余裕があるんだろう。


大きな大黒柱や梁は当然としても、使用人のための中二階には広いスペースと、頑丈そうな柱が見え、床板は綺麗に磨かれたまま光を放っていた。すでに150年ほどは経っているというが、いろりや板の間、土間や玄関、各部屋も当時の面影を残して綺麗に保存されている。いまは誰も住んでいないが、人の手が入らないと傷んでしまうということで、ときどきこうして親類が集まって掃除をしたりしているそうだ。いまでは茅葺き屋根の補修も大変だとおっしゃっていたが、いつでも連絡をくれれば泊まっていいと言って頂いた。ぜひ今度はこの古民家を目当てに、ちゃんとフィルムカメラを持って行ってみたいと思う。