昨日、山に入らせてもらう代わりに見つけた舞茸をあげて来た農家のお母さんに、「爺さんの使っていたクワを研いでくれるか?」と頼まれた。「本来の研ぎ方がわからないけど、できる範囲でいいなら」ということで預かって来た。



一応ある程度形を整えて刃を付けたけど、使い方がわからないので刃先の形をどうすればいいのかわからず、とりあえずという感じ。でもこのおじいさんのクワ、よく見ると鍛冶屋の銘が打ってある。

「柳」というのはこの集落にはとても多い名前だけど、かつてはここにも2軒の鍛冶屋があったらしい。その一軒の野鍛冶の作ったものかもしれない。鋼がだいぶなくなっているけど、まだしばらくは使えるはずだし、よく見ればクワの先の鋼は何度か継ぎ足してあるように見える。

昔の斧やナタなどの農具は、減ればこうして鍛冶屋仕事で復活させて使い続けたのだろう。おばちゃんも「使いやすいからこればかり使う」と言っていた。高い道具でなくても、しっかり作ってある道具は治しながら代々使えるもんだったんだろう。