ナイフに興味を持ち出したのは1980年前後だったように思う。当時はアメリカンカスタムナイフが日本にも知られるようになり、特にラブレスは特別な存在として扱われていた。私も例に漏れずラブレスに憧れたが、当時30万のナイフなんて夢のまた夢。一生手にすることはできないと思っていた。



2010年にはそのラブレスも亡くなり、日本での価格はさらにうなぎ上り。150万、200万というナイフも珍しくなく、スタンダードなものでも今は50万前後もする。80年代とは貨幣価値が違うとはいえ、やはり手が出ない。

それでもついついネットでラブレスがあると見てしまい、憧れは常にあった。ところが先日ヤフオクで80年代前期〜中期のものと思われる、破格のラブレスが出ていて入札したら落札してしまった。欲しかった旧型のセミスキナーのヌードマークで届くまでは待ちきれない気分だった。タンバール同様に競合なしだった。

ところが安いものには裏がある。このラブレスもあまりの安さに「偽物なのか?」と思っていたらそうではなく、れっきとしたオリジナルだが素材が酸化してる。つまりサビがブレードの内部にまで進行しているのだ。


このヌードマークに憧れた。みょうに生々しく写ったなぁ

憧れのナイフを手にした嬉しさが一気に萎んで落ち込んでしまった。それでもラブレスはラブレス。手にしなければわからないこともいくつかあって、高い買い物ではあったけど(ラブレスとしては破格だけど)、いい経験にはなった。

どれだけ保つかわからないけど、とりあえずはダメになるまでは使い込んでみようと思う。ラブレスがダメになるまで使い込んだ人はそういないだろうし。(^^;