いま手持ちの好きな中望遠レンズはこの2本。大きな方は、ソ連製のZENIT(旧KMZ クラスノゴルスク) HELIOS-40-2 85mm/f1.5 M42マウント。ソ連製とはいっても現在でも作られているようで、私のは2012〜2015年に製造されたものらしい。

小さい方は古い三共光機で、60年以上前のKOMURA− 80mm/f1.8(M42)。焦点距離も明るさも近いけど、性格は結構違っていて、なにより重さが違うのでヘリオスの方はよほど「これを撮る」ってときか、家の周りじゃないと持ち出せない。

コムラーの方は真鍮ボディでグッと重いけど、へたすると標準レンズのF1.4よりも小型だったりするので、旅行には持ち出すこともある。このレンズはボケ方もスムースで優しく、トロトロボケがきれいなのでかれこれ20年以上持ち続けているが、冷静に判断すればボケがコントロールし難い暴れ玉かもしれない。

これと似たような焦点距離の手持ちレンズに宮崎さんの超軽量レンズ、SONNETAR f1.5/73があるけど、こちらは近接撮影用にピンを3m付近に最適化してあるので、無限方向の撮影には向いていない。

本当は近接も遠景も普通に撮れれば良いんだけど、そこは宮崎レンズ。個性と性能のトレードオフで、今では当たり前な「なんでもよく写る」は望めない。でもSONNETAR f1.5/73は日常的にブログ写真によく使う。


サイズ比較 左からコンタックス プラナー2/135、オートチノン 2.8/135、ヘリオス40-2 1.5/85、コムラー1.8/80


ヘリオスの方はいっとき海外で「ボケモンスター」と呼ばれるくらいの人気レンズだったけど、確かにバックのボケにはリングボケ、グルグルボケ、トロトロボケなどの特徴があり、ボケ方も多彩だ。

これを使いこなせれば最高のレンズだけど、残念ながら使いこなせていないのが辛いところ。ピンが多少甘いというか、中央じゃないとピリッとしない面があるけど、組み立て精度の問題もあるようで、個体差もあるらしい。

ヘリオスは色被りと重さに負けてフィルム時代に一度手放し、9年前にデジタルで使いたくて買い戻した。だけどやっぱり重さには勝てない。もう少し望遠まで範囲を広げると、普通に使いやすくて、綺麗に空気感のある写りをするのは、コンタックスのf2.0/135ミリだと思う。

あるいは自分の中では過去に使っていたズミクロン90ミリの色とボケの良さ、繊細なシャープさが印象に残る。今なら絶対に手放さなかったレンズだけど、重さが使い切れなかった。

あとはチノンのf2.8/135ミリ(M42)も軽くて小型、しかも清涼感ある写りが好きで今でも手元に置いているけど、滅多に使うチャンスがない。でも今年こそはこのヘリオスレンズをなんとか使いこなせるようになりたい。あとはできればチノンのOHもやりたいなぁ。