川越の古い町並みは魅力的なところも多い。これはズマールの開放から少し絞ったところ。現代のレンズで写したら、もっとキリリとシャープなんだろうけど、もっと木材の痛みも汚れもシビアに記録写真のように映し出されてしまうのだろう。古いレンズは収差の残るものが多いが、その嫌われ者の収差も、なんとも柔らかな描写を見せてくれる。それがとても魅力的。こんなレンズは今後市販されることはないし、フィルム自体ももうなくなりつつある。いまは古いレンズを楽しむ最後の時代なのかもしれないと思うと、最近やたらと目につく古い時代の名レンズを手に入れて楽しむには最後のチャンスなのかもしれないと思う。いや、新しいレンズを手に入れる言い訳かもしれないけど。


ちょっと絞ったとき、開けたときの差があって、いわゆる2通りの使い方ができるタイプのレンズになっているのが、私のズマール。レンズ表面は傷だらけで絞りも硬いので、メンテナンスはあまりされていなかったのだろうが、もう10年くらいそのまま使っている。


そういえばこのズマールは、最近気が付いたんだけどいわゆる「コバ落ち」状態のようだ。レンズの縁を見ると、白く段々模様が半周くらい続いている。だから安かったのか、持っているうちにそうなったのかは、気が付かなかったのでわからない。でも写真には関係ないような気がしている。