昔からちょっと憧れていながらも、あまりにも当たり前で手が出せなかった古いノンコートのエルマー9センチ。レンズのくもりとボディの傷でエルマーとしても破格の値段で、当然ヘリコイドもグリスが固まっているようでイマイチ。でもまあ安いにこした事はない。
でもそれ以外はネジ類の頭は溝も含めてきれいにエナメルが残って、開けた形跡がほとんどないし、象嵌も表面の銀は落ちているけど、ほとんど残っているのは想定外の嬉しさだった。
逆光には予想通りかなり弱いし、若干の後ピン傾向かもしれないけど、これはアダプターの影響かも。写りは甘いながらもシャープ感は十分で、ふわっとボケながらも、ピンの合ったところはキリリとシャープだったり、いまのところ概ね狙い通りで満足。
テレエルマリートよりも1段暗くて、小さいくせに60gも重い!。でもコンパクトなのは旅行用には嬉しい。絞りの最小はf36!。テリートがf32(初期はf36)で、このエルマーのf36がライツの最小絞りだったような気がするけど、フィルムのISO感度が二桁の始まり辺りのはずなのに面白いものだ。
ズマールなんてf12.5までなので、どんなシーンで使う事を想定しているのか考えるのも面白い。でもヘクトールはf12.5の後ろにf18があるんですよね〜。ともあれ1938年製のこのレンズ、いい味出しているようです。
それにしても戦前のライツのレンズは旧エルマーを筆頭に、ヘクトールもズマールもテリートも、このエルマー9センチも、ノンコートなのに(だから?)良い写りだなぁ。やっぱりレンズは古いものに限る・・・かも。(^^;