MS-オプティカルの宮崎さんが新しいレンズを出すのは先日頂いたメモでわかっていたけど、どうやらマップカメラのオリジナルレンズとして登場するらしい(https://www.mapcamera.com/html/20151019_reiroal/reiroal35mm)。

マップカメラでは限定100個が発売前に予約だけで売り切れ状態。宮崎さんは500個ほど作ると言っていたので、残りはゾンネタール同様に大陸系の業者さんに流れるのだろう。

マップカメラのレンズは「REIROAL M35mm F1.4 MC (玲瓏) プラチナクローム」というらしく、アルミボディに金メッキされ、さらにプラチナメッキが施されている。こうなるとレンズというより装飾品?

ゾンネタールもそうだけど、宮崎レンズは現代のレンズとは違い、収差を残しコントロールしながら、できる限りレンズを少なく、小さく軽くしてどこまで性能を突き詰められるかなど、あまのじゃくな方向に拘ったレンズを作り続けている。

このレンズももちろんライカのズミルックス35/1.4を頭に置いて作られているのは間違いないけど、4群6枚で前後対象のガウスタイプを使い重量は球面ズミの半分。残留収差に拘りを持つ宮崎さんがどんな性格を持たせたのか興味深い。もちろん時代が違うので、収差を残しつつも球面ズミより暴れず、絞りによる画質変化が楽しめるらしい。

もちろん性能でいえば開放から突き詰めた現代のレトロフォーカスレンズに敵うはずもないけど、どれもこれもが同じような描写になっているように感じるいま、収差をコントロールしてクセ玉として商品化して来るのは魅力的。

これは現在のRFブームの発端となったコシナも生産量の桁が全く違うだけに、「クラッシック」と謳いながらも宮崎レンズのような好みを最優先した商品を発売するわけにはいかず、宮崎レンズの比較対象にならないのが楽しい。