先の曲がった部分は安直な曲げ加工ではなく、親指の先ほどもある鉄の塊が、鍛え、付けられている。

うちには長火鉢、火鉢があるけど、これまでは五徳がなくてちょっと何かを焼きたい時などに苦労していた。もちろん五徳が欲しいとは思っていたけど、なかなか思うようなサイズのものが手頃な値段で出ていない。時には朽ちそうなものが五千円、名のあるものなんて6〜7万円になっていて、「これで売れるのか?」と思ったりで、これまで手に入れることができなかった。


ところが正月休みにヤフオクを徘徊していると、この五徳が目に止まった。1,000円ならばまあいいかと手に入れてみたけど、かなり古そうでいかにも昔の野鍛冶が作ったような無骨な佇まい。その分しっかりした鉄の塊で出来ていて、ひどいサビもなくまだまだ役に立ってくれそう。

出品していたのは秋田の人だったけど、多分囲炉裏で毎日何十年も使われていたものなのだろう。これならば炭で焼かれたり、汁物をこぼしても簡単には朽ちそうもない。網を乗せれば魚を焼いたり、肉を焼いたり、もちろんキノコも焼ける。これで火鉢を使う機会も増えるかもしれない。