昔から色々な個性的なレンズに憧れて、絶対に自分では買えないと思っていたレンズも縁があったのか使うチャンスに恵まれたこともあった。でもいつの間にか手元を離れていったものが多い。あのレンズが今でもあればなぁと思うことはあるけど、きっとそれは欲張りというものなんだろう。



憧れていた時にはとにかく欲しい気持ちばかりが先行していたけど、いざ使ってみると「ほんとにこの写りが欲しかったものか?」と気がついたり、すっかり気に入って数十年も手元にあったり。それでも古い写真を見直すと、このレンズは持っていたかったと思うこともある。



その時の経済事情によって手放したものがほとんどだけど、考えてみると手放したということはやっぱりあまり使わないと思ったからで、最近思うのはレンズは普通の写りをするものが数本(多分片手くらい)あれば十分ということ。

でもそれが通用するのは、自分の個性が確立した写真家だと思う。自分のようなただ憧ればかりが強い人間は、いつになっても個性的なレンズの描写に惹かれて、いつになってもあっちにフラフラこっちにフラルラしてしまう。

使用レンズは上からタンバール、エルマー65ミリ、ズマール。