このレンズもフィルム時代には好きで、コンタックスRTS IIでよく使っていたレンズだけど、特に室内で人物を写すときには好んで使っていた。撮影がほぼライカM8.2になってからは出番がなくなりすっかりホコリをかぶっていたけど、使わないとは思いつつ写りが好きで手放すことができずに残しておいたもの。



実は室内で50ミリレンズを使うと、焦点距離の5ミリの違いを意外と感じる。50ミリは思いのほか広角的レンズでもあり、わずかに感じる手の大きさやデフォルメがこのレンズでは少し自然になるように思う。それにオートヤシノンDS50/f1.4と同じ、大好きな富岡製レンズというのも手放せない理由の一つ。まっこれはヤシコンプラナー50を手放しているので、こじつけでもあるけど。



それがFujifilmX-E3を手に入れたことで、何本かのM42レンズと共に復活。ポツポツと使うようになった。今回の写真はどちらもフィルム時代のものなので写りはデジタルとは違う面もあるけど、状態もいいのでまだまだ楽しませてもらえそう。

古い時代のレンズはデジタルで使うと、カラーとモノクロでは同じカットでも仕上がりの印象が特に暗部で違うことがある。詳しいことはわからないけど、たぶん色の部分がモノクロに置き換わるときに256階調に振り分けられるので、カラーグラデーションが濃淡のトーンへと変化して写真が変わるのだろう。

逆に最新レンズをモノクロ変換すると、案外ダイナミックレンジが狭くて白飛び、黒つぶれが出やすいと感じることもあるのは、そんなところにも原因があるのかもしれない。たまたまかもしれないけど。