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べとべとさん? [いなかの伝承]

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ウスヒラタケ

今日は「去年はもう山伏茸が取れたし、もしかしたらそろそろキノコが出ているかな?」と、裏山に行ってみた。4時前だったのですでに山の中は暗いけど、そこはもう何度歩いたかわからないほどわかっている山でもあり、目的の場所にどんどん進んでいく。

とはいえ、道もない結構な斜面だし、地面は枯葉が堆積して歩きにくい。杖代わりに持ってきている斧を頼りに尾根に出る。実はこの尾根、知らなかったけど地元のじいちゃんが言うには「熊の通り道」らしい。(^^; でもまあ今まで足跡を見たこともないので、あまり気にしない。ブナの木に爪痕はあるけどね。

「ザッ、ザッ」と枯葉を踏みしめつつ先を急ぐ。
と、かすかに何かの音が耳に入ってくる。

「あれっ?」
立ち止まって耳を澄ます。

「・・・・・」

何も聞こえない。

「空耳か?」とゆっくり足を進めると・・・。

「ザッ、ザッ」・・・やっぱり確かに足音がする。
気のせいでも自然の音でもない。

自分の後ろを少し距離を置いて付いていくる?
それに自分の動きに合わせてもこうも歩いているようで、
こちらが止まれば向こうも止まり、こちらが歩けば向こうも歩く。

「キノコシーズンには早いけど、誰かが後ろから付いてきているのか?」

今歩いてきたところを振り返るが、尾根筋に人の姿は見えない。

日没前のブナ山だけど、人がいれば見える程度の明るさはあるのにだ。


「もしかしたら、人の後ろを付いてくる足音だけのお化けが出たのかも」なんて思いがふと頭をよぎる。

あれは確か「べとべとさん」だったか。
「え〜と、その時は端に寄って『お先にどうぞ』って言えばいいんだっけか?」

などと思いつつ、ちょっと怖いけど、少し戻って足音を確かめに。
ブナの大木に身を隠し、こっそり後ろを見る。

「尾根には・・・だれもいない」

「谷側の斜面には・・・やっぱりだれもいない」
「やっべぇ〜、マジでやばいかも」

と、そのとき、いま歩いてきた斜面に黒い影が動くのが見えた!

「・・・いた!」



なんと、そこには地面を這うように尾根を目指す日本カモシカでした。
すみません、引っ張りすぎ?
その距離およそ10m。
足跡は何度か見たけど、ここで実物を見たのは初めてでした。

先日の大きなフクロウもびっくりしたけど、カモシカもいるんだなぁ。
周りのじじばばの話ではテンやキツネもいるらしい。
なんだかそういうエリアに住んでいると思うと、かなり嬉しい。
マムシはちょっと困るんだけどね。

でもまあ、妖怪の類だったら二度と山に入れなかったかもしれないけど、カモシカなら問題ない。良かったぁ。
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voyagers-x

おはようございます ! !
ニョキニョキ.......
生命力が強い生物ですね笑
秋が本格的になってきたら、いろいろな種類のキノコが見つかりそうですね
台風がまた発生していますね
また関東の方に向かいそうです
今回のはそれほど勢力が強くないようですが

by voyagers-x (2016-09-07 09:24) 

川越

>voyagers-x 様、こんにちは。
ここのところ台風が続きますね。幸いこちらでは酷くなることは今の所ありませんが、台風が通過するごとに秋が迫るようです。今月も中旬を過ぎればキノコもだいぶ出てくるでしょうね。今から楽しみですが、キノコは年によって違うので出てくるまで安心はできません。もっとも、出てきても一気に出てその後はさっぱりという年もあるので、なんとも言えませんが。
by 川越 (2016-09-07 09:40) 

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