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刃物もお疲れ様 [道具]

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雪が降り始めてもう山に入るのは難しくなったので、今年もお世話になったナイフというかナタというか、刃物もおやすみの季節になった。

こうして並べると、以前はアメリカ製や日本の有名カスタムナイフを使っていたけど、田舎暮らしで日常的に刃物を使うようになってからはどんどん手持ちの刃物が替わってしまい、この4本に落ち着いた。

概ね使えばすぐに研いでいるので、改めて研ぎ直しはしなかったけど、鞘に入れたままだと錆びやすいので薄く油を塗って、新聞紙で包んで仕舞い込んだ。

上から、新潟県の高田市(現在の上越市)にあった、五代続いた名斧鍛冶屋「つんぼ」のナタ。一番重く、いわゆるナタとして使うには一番使いやすく、切れ味もいいが、何代目の作かはわからない。山に持っていくときはツルや小枝を切りながら歩く可能性が高いときで、薪作りで枝を払うような作業はナタよりも斧を使う。

このナタは夏頃だったか、軽トラ市をしていたらそばの民家の方が「蔵を片付けていたら出てきたから、持っていってくれ」と、出してくれたもので、手元に来たのは一番新しい。おじいさんの時代に買ったものじゃないかという話だけど、ざっと半世紀前?そのときの記事はこちら(https://photo-bici.blog.ss-blog.jp/2022-07-21-1?1671159448

2番目は茨城県水戸市にある「中屋平治」作、6寸の片刃の和式ナイフ。中屋平治は嘉永元年(1848年)創業の刃物鍛冶で、屋号の「中屋」が表すように元は福島県の白河より鋸鍛冶として水戸へ来て、現在は5代目が刃物屋を継いでいる。ノコギリももちろん手打ちで作っているが、今でも一から手作りで刃物を製造している。

鋼を選ぶことができるのが特徴の一つで、包丁もナイフもとにかく研ぎやすい硬さでキレが鋭いというか繊細になる。軽くて刺身包丁のように良く切れるので、主に釣りに行く時に持ち出すことが多いけど、まれに刃物を2つ持つ時にも持ち出す。これは4年前に手に入れたかな。

3番目はアメリカのマスプロメーカー、コールドスティール製。材質は炭素鋼でその成分は日本刀に近いらしく、確かに研ぎ上げたときの切れ味はいい炭素鋼のもので、価格の安さ(確か1,500円くらいで買ったはず)からは信じられないくらい良い刃物。4本中唯一の両刃だけど、肉厚は一番薄くて4ミリくらいなので、叩き切るよりは滑らせて切る使い方。

これは10年ほど前にすでに廃盤となっていた。同じ材料が入手できなくなったためらしいが、その後同じデザインのものが別の材質で作られている。握りの部分はパイプ状になっていて、私はここに棒を刺して木の上に生えているキノコを採るのに便利で使っている。握りに巻いてある紐は、長い棒に刺した時に安定させるために手元で引っ張るためのもの。落ちてきたら怖いし。(^^;

4番目は秋田県の関刃物店で作ってもらった7寸のタテナガサ。サイズの割に軽く、軽さの割に振り下ろした時に力が入りやすいバランス。このあたりのさじ加減は、昔ながらのマタギが使い続けた経験が生きているのだろう。使い方を伝えると、デザインから鋼の種類、焼き入れの具合までアドバイスしてくれる。

私は獣の解体、腰につけて軽く、硬すぎずに研ぎやすい焼き入れ、滑る地面に刺して崖を降りることもあるなどいろいろ話をして作っていただいた。昨年からは、基本的に春から秋までこれを下げて山に入っている。一番上のナタほどの破壊力はないけど、2番目、3番目の刃物のような華奢な部分もなく、およそどんな作業にも安心して使うことができる。

刃物を日常的に使いたい願望もあっての田舎暮らしだったので、これらの道具が使えないのはちょっと寂しいけど、冬の間はいくつもある斧を使ったり、包丁や小刀で我慢しよう。
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