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母の形見 [道具]

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先日東京の用事を済ませた後に、千葉の館山の田舎にある母の住んでいた小屋を見てきた。もう母が亡くなってから20年が過ぎ、この小さな畑と小屋に通うのは7つ上の姉くらい。

その姉もいい歳になってきたので、ここ1年半は手付かずだというから、山の中にある小屋までたどり着けるのか、小屋の中は動物の住処になっているんじゃないかと、心配しながら行ってきた。

畑は予想通り雑草とイノシシのせいでひどい有様。でも意外と小屋の中は荒れていなかった。とはいえ人が入らない家の痛みは早い。壁紙が剥がれ落ち、水を張っていたお風呂も風呂桶が乾燥して隙間ができたので、水が張れない。これを直すにはどうしたらいいんだろう?

ともかく壁紙を張り替えて、なんとかまた人が住めるようにはしたけど、お風呂は問題だなぁ。その帰りに母が盆栽の手入れに使っていた切り出しと、何に使ったのかわからないけどやっとこのような道具を見つけたのでもらってきた。

母の生前は近くに鍛冶屋もあり、切り出しややっとこはそこで作ってもらったものらしい。他にナタや斧もあったけど、これはお風呂が使えるようになればまだまだ働いてもらわねばならないので置いてきた。

鞘のない切り出しは盆栽の先生に特別に分けていただいたものらしく、大事にしているのを生前見せてもらったもらったことがある。どれも錆だらけで、切り出しは先が欠け、やっとこも先端が欠けていたけど、ヤスリで先を揃えたのでまだ使えそうだ。

切り出しは平面が出ていなくて、なかなか思うように刃がつけられないけど、使いながら形を整えつつ刃を付けて行こうと思う。多分この先一生かかっても使いきれないだろう。母の形見は何もなかったので、なんとなく気持ちが落ち着くような気がする。
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