写真を見せるって怖い

ここのところまた写真に対する興味が出てきて、ほぼ10年前の写真をまとめてアップしているけど、写真ってすごく怖いと思う。

昨今、スナップは特に「写真を撮って何が楽しいんだ？」なんてことを言われたり、「盗撮」と半ば犯罪者扱いされることも珍しくないと聞く。日本ではプライバシーや肖像権という概念が他所とは違うし、写真に対する文化や考え方も違う。おまけに迷惑条例なんて微妙で曖昧なものがあるので、余計にややこしい。

社会の空気の怖さは別にしても、写真はまとまると写っているものが何かを語りかけてくるとは別に、全体を通して写した人そのものが出てくるらしい。１枚だけの写真ならそんなものはまず出てこないのに、５枚10枚とまとまればまとまるほど、写した人が出てくるというのはなんとも怖い。第一写した本人が自覚していないことまでもが徐々に表立ってくるとしたら・・・。

それを意識して表現しているのが、いわゆる写真家ということになると思うけど、写真家を名乗ることは自由でも、周りが認める写真家はやはり芸術家とおなじでごく稀な存在かもしれない。それに写真を見ればある程度の技術やセンスもバレバレになるわけで、自分の技量があからさまになるのは怖いというよりも、とても恥ずかしい。

そんなことを考えていると、多数の写真の中からどのカットを出そうか、どれを出せばいいのか迷いが出てくる。結局のところ自分がいいと思うものを出すしかないとはわかっているけど、迷い始めると自分でさえ、どれがいいのかわからなくなるのが困る。こういうところが素人というか、写真する覚悟ができていないんだろう。

自分のブログなんで何をアップしようが自由だけど、観る人だって見たくないものが続けば来てもらえなくなるし、外に向かって発信している以上はより多くの人に見てもらいたいという気持ちにもなるし、見た人がどう思うのか反応が欲しくなる。そういうところも含めて、写真というのはやっぱり面倒で怖いものだと思う。

コメント 4

いい写真。いいですねえ。
写真のことあまり難しく考えると難しくなりますね。
路上で歌う人だって迷惑と思えば迷惑だし。
スナップは迷惑かけない程度に楽しめばいいように思います。
旅先での写真は貴重な記録でもあります。
by minton (2020-06-25 08:31) 

> mintonさま
写真って、考えてしまうと深みにハマりますよね。自分なりに適当なところで折り合いをつけるのが大事かなと思います。Vivian Maier さんのように、写すことだけ（彼女は現像すらしていない）みたいな割り切りはかなり困難ですけど。

でもいい写真が撮りたいなぁって思うと、いろいろ考えちゃうんですよね。ブログ写真だって立派に写真だし、スマホを持っている多くの人がそれで楽しんでいるわけですから、考え込む必要もないんですけど。こういうのは性格もあるのかもしれません。
by 川越 (2020-06-25 09:01) 

写真って本当に正直だと思います。自分では気付いていない心の状態とか、服が似合う似合わないとか、鏡で見ても判らないのに、写真に撮ると一目瞭然。なので、写真を撮られると、「今しんどいけど、こんな顔ならまだ大丈夫」と安心したり、逆に「うわあ、こんな顔しているのか！気をつけなくちゃ」と思ったり。
ところが、何かの歪みなどの証拠写真を撮ると、目視だと凄くはっきりしているものでも、単眼だからなのか写真ではよく判らない。人間の目も凄いものだなあと実感させられます。
面白いですね。
by どくとるくま (2020-06-25 19:22) 

>どくとるくまさま
お忙しい合間に、コメントありがとうございます。写真って真実を写すわけじゃないですけど、現実は写してくれますね。でも人の目もすごく高性能ですよね。考えてみれば指の感覚だってすごいし、人の感覚は機械以上の性能とも言えそうです。

ところで写真で顔を見ていろいろ判断するって面白いですね。くまさんは患者さんとの対面ですから、よけいに気を使うんでしょうね。

私は鏡を見て「誰だこのじじいは！」って思うことがありますが、ついでに表情も見るようにします。対面の仕事とってわけじゃないけど、人付き合いは挨拶や顔の表情も大事ですもんね。気をつけなくちゃ。
by 川越 (2020-06-25 19:43)