Leitz Summar 5cm f2 沈胴もメンテに [レンズ]
Leitz Summar 5cm f2 は、手持ちのレンズの中でも最初に手放すかもしれないと思いつつ早ウン10年。幾度となく行われた整理にもかかわらず、結局今まで手元に残ってしまった不思議なレンズ。
もっとも今では絞りが動かなくなり、コバ落ち、バルサム、レンズの傷も多数あり、ヤフオクに出すこともままならず、ほとんどボディに付けられることもなく手元に置いてあった。
このレンズ、巷では「フレアとハイライトの滲みが合わさり、幻想的なイメージを織り成す」なんて評価されたりしますけど、歴代ライカレンズの中でも評判の悪いレンズの筆頭に挙げられるもので、コーティングなしの柔らかいガラスにつく傷もあって安値で買えたレンズの1つ。
安いから自分も持っているわけだけど、このレンズはいわゆるオールドレンズらしさを求めて使うと、ズマール特有のモヤモヤにすぐに飽きるレンズの筆頭じゃないかと思う。だけど癖玉の筆頭は、単純なボケ玉というだけじゃない魅力を秘めている・・・かもしれない。
ということがおぼろげにわかって来たのは、使い始めて何年も経ってからだけど、たぶん古いレンズなので個体差もかなりあるんじゃないだろうか。
例によって過去写真からの抜粋で、これがいい写真というわけじゃないけど、このレンズの面白さは周辺域の収差による乱れ。これをいわゆる「汚いボケ」と片付けてしまうと、このレンズの魅力に気づかないままになる。
使いこなすのは難しいけど、ときたま「いいなぁ」と思える写真が撮れてしまうこのレンズの魅力は、「光の影響を受けつつ収差が生じている」こと。
つまり「光のコントロールで効果が現れる」と言う非常に奥の深い魅力を持つ。うまく撮れれば最新レンズの開放からキリリと細部にわたりシャープな写りとは全く違った、非常にリアルな空気感、雰囲気が映し出される・・・と、思っている。
もっとも口で言うほど簡単じゃないので、いいなぁと思える写真もなかなか撮れないんですけど。ともあれ、このレンズも使いやすくなって戻って来てくれると思うと、またいろいろ使いこなすのが楽しみです。
このレンズかなりのボケ玉でモノクロで撮っています
1936年製で多分フイルムだったらこんな写りかなと思っています
修理後の画像を待っています。
by micro (2021-09-29 16:45)
> microさま
ズマールはダイナミックレンジが広いので、モノクロやフィルムでもいい感じになりますね。36年製ですか、私はその翌年に生産されたものですから、近いですね。出来上がりは多分来年になると思うので、春になったらと楽しみにしています。戻って来たらいろいろ写してみます。
by 川越 (2021-09-29 18:21)