久々に小刀の研ぎ [研ぎと目立て]
休日の今日は我が家の外壁のリフォームの準備で、家の周りにある薪を全部片付けなければ足場が組めない。これまでの数日準備をしてきたけど、今朝まで残ってしまった。やっとのことで片付けて、午後からはちょっと時間ができたのでしばらく使いっぱなしで刃こぼれしてきた小刀を研ぐことにした。
繊細な刃物を研ぐのは久しぶりなので、ちょっと集中力が持つか不安。一番上の写真の刃先が荒れているのが見えると良いけど。まずは荒砥〜中砥の番手になる伊予砥で大まかな形を整えて出来る限り刃先も整える。
この砥石は便利な砥石で、最初は粗めなのに研いでいるとどんどん砥粒が小さくなって、刃物によっては仕上げ砥石としても使える便利な石。小さいものはサビ取り用にも重宝している。うちには小さいけど5〜6個あるかもしれない。
その次は中山のあいさで準仕上げ。メジャーブランドの中山だけど、やっぱりメジャーになるには理由があって、どの中山でもそれなりに良い砥石だと思う。この手持ちのあいさは、研ぎ痕は残るけど切れ味は十分で、家庭用の三徳包丁には刃持ちも良くて十分な仕上がりになるはず。大きく傷が入っているけど、不思議と当たるけど傷がつかない不思議な石。でもまだ刃先を仕上げていないので、次は奥戸の本巣板。
この小さな砥石も便利な石で、少し力を入れて傷を消して、徐々に力を抜きながら刃先まで砥石に当てていくと良い艶が出るしもちろん繊細な刃先になる。砥石の面直しをしながら裏もあてて、出来上がり。今日は1時間と05分。ちょっと手抜きだけど、自分用だしこんなもん。
トマトは切らなかったけど、切れは十分。これでまたしばらくは気持ちよく物が切れる。
刃物で「中山」初めて知りました
先日トマトを包丁で切ろうとしたのですが、滑って切れませんでした
包丁のCMでトマトを切るのを見た事がありますがやっと納得しました。
by micro (2022-09-07 09:10)
>microさま
「中山」は刃物ではなく、砥石の方です。仕上げ砥石の良質のものは世界中でほとんど日本の京都の一部でしか撮れません。同じ鉱脈が滋賀や福井にも繋がっていると言われるようですが、良いものは本の一部のようです。そのなかで「中山」は良質のものがずいぶん産出されたようです。
トマトやピーマンは意外とやっかいで、ナマクラだと刃が滑っちゃいますね。よく紙を切る切れ味テストがありますが、あまりあてにはなりません。切止んだ刃物でも綺麗な紙は切れますし、紙は切れても魚は切れないとか普通にあります。
by 川越 (2022-09-07 09:20)
川越さま
小刀の研ぎ具合ですが、全部で5枚の写真を上から順に眺めていくだけでも、刃先がピカピカに光り、整っていく様子が判り、納得です。自家用の小物と雖も、研ぎ師の気分としては、爽快でありましょう。お元気で。
by Yozakura (2022-09-12 11:03)
>Yozakuraさま
自分用の刃物は拘ればいくらでもこだわれるし、失敗しても怒られることがないのが気楽で良いですね。安いとは言え、預かり物の刃物はその点安物でも気が引き締まります。今朝は昨日預かってきた出刃を研いでいたのですが、なんとか刃先まで形を修正できて良い刃がつけられました。直ぐに写真を忘れるのが困ったもんです。(^^;
by 川越 (2022-09-12 11:27)