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鎌と包丁研ぎの依頼 [研ぎと目立て]

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昨日、以前の蚤の市で知り合った人が「鎌と包丁を研いで欲しい」とやってきた。2度続いた蚤の市も、その後は御多分に洩れず開催されないけど、こうして来ていただけるのはありがたいことだ。

ところで預かった鎌は刃先が大きくS字に波打っていて、「これの形を直したら砥石がなくなるなぁ」という感じ。包丁は写真のものだけど、「結構いい包丁なんですよ」と断りを入れてきた。

でも鋼が入っていない包丁で、形はいわゆる牛刀という西洋包丁。なのに和包丁のように片刃で、和包丁ならあるはずの裏スキもないフラットな表面。片刃だしこれじゃ切ったものが張り付いて切りにくいだろう。おまけに工具鋼のように固くて荒砥でも研げない。

思わず唸ってしまったが、考えてみれば「いい包丁」というのは使う人によって違う。切れる刃物が一番という人もいれば、錆びないのが良い、刃持ちがいいのがいいという人もいるかもしれない。

この包丁も「切れ味はそこそこでも、長く研がずに使えるからいい包丁だ」と思っているのかもしれない。いろいろな人の包丁を研がせていただいていると、どう使うのかをいつも考える。今回もこんなことを考えながら、この人がいい包丁と思うであろう研ぎを試してみたが、その評価はどうなるか?
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コメント 2

minton

包丁はそれぞれが思い入れみたいなものがあるんですね。
だからそんな話になります。
考えてみれば、いつまでも切れ味が落ちない包丁が一番という人もいます。
そういう人はヘンケルなどの西洋包丁になるんでしょうね。
和包丁は研ぎながら使うのを前提としていて、手入れしていればずっと使えますし。
僕は職人の子なので、後者が好きですけど。
by minton (2020-04-21 12:16) 

川越

>mintonさま
昔はみんな鋼が入った菜切り包丁と魚をさばく出刃包丁を使っていて、父親がしょっちゅう砥石を使って研いだものですね。いつしか三徳包丁が世に現れて、錆びない包丁が出てきました。

今では一般家庭の包丁は使い捨ての時代になってしまいました。「研いだ包丁は切れすぎて怖い」というのも時々耳にします。

そんな時代ですから、「刃物だから切れ味がいいのが一番」というのは、勝手な思い込みになるかもしれませんね。研いでも「せっかくいい包丁だったのに」なんて思われる可能性もあります。

でもやっぱり刃物は使うたびに研いで、最高の切れ味を出して使いたいですよね。小さくなってもそんな刃物は愛着がわきます。
by 川越 (2020-04-21 12:39) 

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