ノコギリ各サイズとナタを入手 [道具]
先日自分の先代がやっていた金物屋の、錆びてしまい売れなくなったものだけど、それでよければとナタとノコギリを送っていただいた。数本かと思っていたらノコギリだけで歯の数や形違いの15枚とナタを2つで、結構な量になった。
見ての通り錆がひどく、これだと売るわけにもいかないだろう。1枚だけ酷い錆のものを選んでワイヤブラシで錆を少し落としたけど、鋼には問題はなさそう。ただ薄い板なので錆を落としたらやはり板の狂いが出た。この狂取りが難しいが、慎重にやってみよう。
何よりこのまま朽ちさせるにはもったいなさすぎる。ノコギリには片義、片良と銘が打ってあり、同じ「よし」という言葉を使っているのは、兄弟弟子なのか何かの縁がありそうだ。尾立(おりゆう)と銘が切ってあるものもあり、ノコギリの歯の付け方も尾立の特徴なので、代々受け継がれているものだろう。
土佐に鋸鍛冶を伝えたのは尾立(おりゆう)団次と伝えられ(銘は「片団」)、当時(180年ほど前)の土佐の鍛冶は地域によって作るものが違っていて、鋸は山田島の片地に集まっていたことから、作り手の銘に「片」を付けたことが多かったと本で読んだ。
ナタの銘は「三つ星」で、こちらも何か引っかかるが思い出せない。土佐では集落ごとに違う道具鍛冶が集まってしのぎを削っていたそうで、なかでもこの三つ星は問屋の銘だったか。この辺は曖昧です。
ともあれ、短い方は秋のキノコ狩りに連れて行った女性に頼まれたもので、小さめのものが欲しいというリクエストで手に入れたもの。土佐の手打ちのナタで、普通に買えば1万円はするだろう。春までには柄とケースを付けてあげようと思う。
私が知ってるノコギリは両側に刃がついてる物。
柄も真っ直ぐについてる。
いろんなのがあるんだなーと思いました。
それにしてもノコギリって難しいですよね。
刃が食い込んでにっちもさっちもになる。
カナヅチで釘を打つのも難しいです。
by ムー (2020-12-30 10:51)
>ムーさん
両側に歯がついているのは主に大工さんが使うものですね。柄の部分が真っ直ぐで長いです。こちらの写真のノコギリは片歯で柄も曲がっているので手曲がりノコなんて呼ばれます。
歯が食い込んでしまうのはよくありますよね。特に生の木を切る時にはそうなりがちです。それを防ぐために鋸の歯は交互に左右に振ってあります。その振り幅が広いほど、切り口の幅が広くなり、食い込みづらくなります。そういう調整も鋸の目立ての時にやりますから、できれば使う人の話を聞きながら調整するのがいいんですけどね。
by 川越 (2020-12-30 13:40)