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また「つんぼ」が・・・ [研ぎと目立て]

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先日斧を3本、ナタを4本、鎌を8本「使えるなら研いで欲しい」と持ってきてくれた中に、2本のいい感じのナタがあった。

研ぎの依頼をしてくれたのは10キロほど離れた隣の集落の人で、40年ぶりに今年故郷に戻ってきたという。田舎暮らしを始めるにあたり、古い道具を使えればといろいろ持ってきてくれたのだが、そのナタの1本は「前田屋」とある。「前田屋」は今でも私の住む集落にある金物屋で、古くからあるお店らしい。

そしてもう1本が先日も紹介した「つんぼ」のもの。でも自分が持つナタとは微妙に造りが違うので、多分同じ人の作ではないと思う。どちらが先のものかも判断はつかない。

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でもこの「前田屋」と「つんぼ」のナタは、握りの部分は違うけど、刃物部分はどうも同じ鍛冶屋のものに見える。「つんぼ」は今の上越市にあった鍛冶屋で、「前田屋」は今も地元の松代にある金物屋。

想像でしかないけど、たぶん「つんぼ」で作ったナタを「前田屋」のオリジナルとして販売していたんじゃないだろうか。今でいうならOEMかな?

昔からこういうことは行われていたようで、古い土佐の鍛冶屋の記録にも「銘」を変えていくつかの店舗や卸業者に出荷した話が残っている。その際には卸問屋や商店の名前を入れたり、松、竹、梅のようにカテゴリー分けした名前をつけたという。

それにしてもお隣とは言え、いまや貴重でなかなか目にすることもない「つんぼ」の道具がいくつも目の前に来るとは、びっくりするやら嬉しいやらだ。
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