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写真と機材 最近考えていること [写真]

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昔、カメラに興味を持ち、京セラコンタックス、ニコン、キャノンと10台近くも一眼レフと交換レンズ群を使い、のちにライカを手にした時、自分の写真が下手になったように思った。

最初のライカはM4-Pとズミター5センチだったように思うけど、ズミルックス35ミリと、ズミクロン50ミリも程なく手に入れた。が、50ミリはなんとも使いにくく、ずっとロクな写真が撮れなかった。

ズミルックス35は開放の写りと逆光で出る派手なゴーストにすっかり呆れ、ズミクロンはあくまでも全面に正確、ボケることなく冷静に記録する当たり前の写りにガッカリして、どちらも手放してしまった。若気の至りというか、写真というものが全然わかっていなかった時代で、もったいないことをした。

一眼レフの中望遠から200ミリなどをよく使っていたことも影響していたと思う。結局いかに自分の写真がボケやハイライトの滲み、望遠の圧縮効果、広角のデフォルメに頼っていたのかってことだけど、もちろんそれを実感したのはずっとずっと後のことになる。

球面ズミ35は10年ほど前に買い直したけど、50ミリは初代ズミルックスを手に入れ損ってからは縁がない。代わりに幾つかの50ミリが手元に残り、今では50ミリがあればほとんど他のレンズは必要ないかも知れないと思うことも多く、ライカにはゾンネタールを付けっぱなし(相変わらずのボケ頼り)。

そんな最近、ズミクロンのアスフェリカルじゃない普通の50ミリが欲しい。アポズミクロンまで行くと、解像度だけでびっくりするような写真が撮れそうで、それは魅力でもあるけど、反面でやっぱり望遠レンズに頼るような、レンズ頼みなところが強くあるんじゃないかと思う。それ以前に全く手が出るような値段じゃないので、検証もできないけど。

普通のズミクロンで写真を良くしたいと思えば、写真の本質的な光と影、距離に意識を向けなければ、ただ目の前にあったものの説明以上の何も写ってくれない。昔、あまりに当たり前の写りで面白くもなんとないと感じたレンズは、今考えると実にシビアに力量を表すんじゃないかと思う。

最近はその厳しさというか、残酷さにちょっとトライしてみたい気がしている。「ライカにズミクロン(50ミリ)1本で世界を旅したい」ってのはこういうことなんじゃないだろうか。でも普通のズミクロンさえ、既に手が出ない値段になっているのがネックかな。っていうのはただの言い訳か。
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