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スナップって? [写真]

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2015年の7月に写したこの写真のおばあちゃん。当時83歳の一人暮らしで、一昨年亡くなってしまったらしい。「らしい」というのは葬儀を見ていないし、家の雰囲気から空き家になってしまっているように思うから。あるいは施設に入っているのかもしれないけど、実は名前も知らない。

この辺りでは知らない人でも家にあげてお茶を出す文化が残っているので、相手もこちらのことは根掘り葉掘り聞くようなこともなく、「どこからきたの?お茶飲んで行きなさい」くらいの軽い気持ちで家にあげてくれるし、紙焼きにして持って行ったらすでに忘れていた。(^^;

この写真、スナップといえばスナップだけど、こうして相手に「写しますよ」と了解を得てから写すスナップポートレートと、了解を得ずに写すスナップがある。どちらがいい写真かはわからないけど、写るものは違うものになるかもしれない。

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声をかける勇気はないから勝手に撮る人もいれば、勝手に撮ることに罪悪感を感じて声をかける人もいる。声をかけてコミニケーションをとって写すことが好きな人もるし、それは人それぞれ。声をかけて写す写真家で好きなのはハービー・山口さん。あの人の写真は優しくて愛があると感じて大好きな写真家。文章も上手で引き込まれてしまう。

でも声をかけて撮る場合、黙って撮るのと決定的な違いが出るのは、写す人と写される人との関係性だろうか。写される人は写す人を見てどんな人かを感じ取り、レンズに向かう。声をかけずに撮る場合の写される人は、レンズを意識しない代わりに社会の中の自分を取り繕っているのかも。

どちらにしても写真を撮るということは、その写真に対して責任を持つ意識が必要になることは忘れちゃいけない。そんなふうに考えると、やっぱり写真するのは少々めんどくさくて、ちょっと重たい。

ブレッソンは「人の写真を撮ることは恐ろしいことである。何かしらの形で相手を侵害することになる。だから心遣いを欠いては粗野なものになりかねない」といって、被写体に気がつかれたら、帽子をとって挨拶をしたそうだ。
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