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古いノコギリの目立て [研ぎと目立て]

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先日解体している家屋の廃材をもらってきたけど、そのときに友人シェフから目立てを頼まれたのがこの大きなノコギリ。元々は幅の広さから想像するに縦引きのノコだと思うけど、横引きの歯が付けてあったので、そのまま横引きノコとして目立てをした。

わずかに狂いがあったけど、それは軽度の狂いですぐに修正できた。錆が浮いているけど、悪いものじゃないので使っているうちになくなるはず。刃こぼれもないし今の時代なら一生ものだ。歯が大きいので使うにはちょっとコツがいるけど、慣れれば充分に使えるはず。切れも良かった。

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よく見れば機械で作ったものではなく、手で作ったものだとわかるのでそれなりに古いものだろう。銘を見ると中屋なにがしとあるので、昔この集落にあったノコギリ鍛冶が作ったものかもしれない。

もっとも、ノコギリ鍛冶で中屋銘は全国に星の数ほどあるので、昔は集落ごとにあったといわれる鍛冶屋なので、廃屋のあった集落にあった鍛冶屋の銘かもしれない。上の写真は昭和●四年と読めるけど、残念ながら自分には読めない。どなたか教えてください。

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黒倉とあるのは集落の名前で、その下は使っていた人の名前だろうけど、こちらも読めない。一番下は鍛冶屋のマークのようで、鋸にも記されている。

目立てをすると前の人の目立ての癖や、道具への思いが窺い知れる。それが正しいかどうかは知る術もないけど、時を超えてこの道具を使った人の思いを感じられるのは不思議な感じもする。
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