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豆まきをしない家 [いなかの伝承]

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以前「人骨山の人食い鬼(田舎の伝承)https://photo-bici.blog.ss-blog.jp/2013-12-01」で、節分に豆撒きをしない集落の話を書いたけど、昨日のツアーで車の運転をしてくれた人の家でも豆まきをしないらしい。

興味深い話なので詳細を聞きたかったけど、本家の地域ではとても古い家ということくらいしかわからず、ひい爺いさんの口伝えでは「昔鬼の世話になったことがあり、鬼を追う豆まきはしない」ということらしい。残念ながら地域の古い記録にもそれについての記述は見つけられなかったらしい。

新潟は酒呑童子や茨木童子、弥三郎婆(これは鬼婆か)などの鬼が生まれた地域とされることが多いが、茨木童子の生まれた地域は茨木姓が多く、この茨木の名を持つ家々でも豆まきはしないと伝えられている。暴れん坊の鬼も地域のためになることをしたのか、あるいは一族の中から鬼を追い出したことを忘れたかったのか。伝承ではどの鬼も人々のために尽くした話が残るのも面白い。

ところで上の地元の家の名は「阿部」であり、特に越後の鬼たちとの関連はないように思うけど、弥三郎婆だけは嫁のない男に嫁を連れてきたり、仲人をしたり(同じかな?)、人のためになることもした伝説が残っている。この阿部家もまた、何某かの恩を鬼に受けていたのかも知れない。

ところでお隣長野の白馬には青鬼(あおに)地区というのがあり、鬼の伝説もいくつか残っている。日本各地に鬼の伝説や昔話は多いけど、それを調べてみるのも面白そうだ。もっとも昔から鬼や妖怪の類は身近な自然や空想、仲間が集まって時を過ごすときの世間話の一つとして生まれてきたものなのだろうから、その始まりを見つけることなどできないことなんだろう。
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