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腕時計 [その他]

海外に行くときは携帯の電源を切ってしまうので、時計が必要になる。国内ではまったく付けることがなくなってしまったけど、いまでもいくつかの時計が手元にある。
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若い頃、スウォッチが流行した頃だったと思うので、すでに30数年前のことだけど、例に漏れず私も腕時計の魅力に捕まった。そこは素人の浅はかさでパティック、バセロンにも憧れたけど、手が届くのは精々がロレックス。でもあのデザインはあまり好きになれず、シンプルでオーソドックスなモデルを手に入れたり、バブルバックなどに手を出して楽しんでいた。

その後もsinnやらセクターやら、ホイヤーなどにも興味が出たけど、概ね深入りはせずバブルバックもsinnも手放してしまった。それでも残っているのは大好きだったいくつかのクロノグラフとダイバーズウオッチ。

スウォッチは日替わりで使っていたのでベルトが切れたものばかり。でもセクターのオートマチッククロノメーターのダイバー、セイコーのダイバーズウオッチはツーリングでかなり荒れたところや海で使い、もう35〜20年も前のものだが、まだまだ使えそう。

久しぶりに取り出して眺めていると懐かしい。それにしてもバッテリーがないと動かないこれらの時計の中で、オートマチックはいまでもしっかり動いてくれるのは嬉しくもあり、どこかカメラにも通じるところがある気がする。
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ラブレスナイフ、その3 [その他]

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これはシカ革だけど、今年はウリ坊の毛皮を鞣してみようかな

そろそろジビエの季節で、もしかしたらベルギー旅行の前にウリ坊の解体をしなければいけない。ということで冷凍庫のスペースを空けるべく、残っていた昨年のウリ坊の後足を食べることにした。

ウリ坊とはいえ、2人で食べるにはちょうどいいくらいの大きさ。肉の量も十分だった。この後ろ足を早速ラブレスで切ってみた。肉は気持ち良く切り分けられるし、関節にナイフの先端を入れて分離するのもやりやすい。さすがは「セミスキナー」と呼ばれる、皮剥ぎ用のナイフだ。

ボロではあるけど、実用にはほとんど問題なしで、大きめのナイフなのに研ぎやすく持ちやすく、作業もしやすいのは、ちょっとびっくり。今までは小型のナイフのほうが使いやすいという気持ちもあったけど、それがすっかり覆されてしまい、ますますラブレスが憧れのナイフとなってしまった。料理はとてもおいしかったんだけど、例によって写真がない(^^;
タグ:ナイフ
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早くも11月になる [その他]

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写真は全て以前ベルギーに行ったときのもの

10月も今日で終わり。昨年は11月にもレースがあったのでまだ頑張って練習していたけど、今年はもうすっかりオフモード。昨日もカップ焼きそば1000kcalオーバーと、500kcalオーバーの菓子パンを食べてしまった(^^; かろうじて腹筋だけは頑張っているけど、いつまで続くことやら。

それはともかく、ミラーズレで修理に出していたRTSⅡが戻って来た。コンパクトなボディに精密感溢れる巻き上げ感覚はやっぱりかつての高級機。まだしばらくは一眼レフを楽しめそうだけど、シャッター音の大きさはライカに比べると街中でもちょっと気になるなぁ。
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ところで先日も書いたけど、あと2週間でベルギー旅行。ブリュッセルとブルージュは以前行ったことがある。ムール貝を相棒に食べさせたかったけど、時期がずれているのが残念。でも今回は仕事に追われることなく出発できそうだ。

カメラのほうは以前「今回は迷わずにM8.2とM3。レンズはルサール、エルマリート、ズミ35、S・ロッコール。もしかしたらこれにコニカヘキサーかレチナを追加するかも。」なんて書いたけど、今はレチナを外してフレクサットを持ち出そうかと思案中。ヘキサーもいらないかな?

レンズはルサールの代わりに、少し重いけど1mまでは距離計が使えて、1絞り半明るいキャノン19ミリにするかも。ホテルの室内で写すには距離計は有り難いし、少しでも明るいほうがいい。重量はルサール105g、キャノン255gとけっこう差がある。
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レンズは取っ替え引っ替えなんてできないのはわかっているし、フォーマットの違うカメラを一緒に持つのは私の場合無理がある。ボディ2台はデジとフィルムで決まりだから、レンズは3本くらいにしたいなぁ。19、35、50かな?

ロンドンは35、28、50だったけど、28も50もほとんど使わなかったから35と50でもいいんだろうけど。M3に50を付ければどちらも同じような画角で使えるし。まっ、もう少し考えよう。
タグ:ベルギー
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今日は雨 [その他]

ヌード写真は中傷があり、残念ですが削除しました。
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今年の海外旅行はベルギー [その他]

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電話で申し込みをする相棒。気分はウキウキ(^^)

できる限り毎年1度は海外旅行に行きたいと思っていて、今年は11月にベルギー旅行が決まった。ブリュッセルとブルージュで1週間弱。まだほとんどなにも調べていないけど、とても楽しみ。
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旅行を申し込んでスッキリしたあとはのんびり

ベルギーには1度行った事があり、そのときはパリを経由して列車で初春のブリュッセル入った気がする。前回はそこからさらに田舎にある知人の家に泊めてもらったので気分も違ったけど、今回はどうなる事やら。でもブルージュにはもう一度ゆっくり行きたかったので、とても楽しみだ。どんなところなのか、いまからいろいろ調べなければ。

持って行くカメラは当時はフィルムの一眼(コンタックス)だったけど、今回はたぶん迷わずにM8.2とM3。レンズはルサール、エルマリート、ズミ35、S・ロッコール。もしかしたらこれにコニカヘキサーかレチナを追加するかも。
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巨大キノコ出現 [その他]

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うちの中に巨大なキノコが出現しました。というのは冗談ですけど、相棒が私のために買って来てくれたイスというかクッションというか、座るものらしいです。私は仕事をするとき、座布団やクッションを畳んでお尻の下に入れてパソコンを使うので、それ用に見つけて来てくれたようです。使ってみると意外と良い感じです。
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今日は・・・ [その他]

今日は先日初めて使ったフレクサットのフィルムと、溜めておいたフィルムを現像に出そうと新宿に行くつもりだったけど、うっかり出すのを忘れて帰って来てしまった(^^; なので今日は盗撮写真です。
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都会はクリスマス [その他]

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昨日は仕事の打ち合わせで東京駅周辺に行ったので、ティファニーやらカルチェやら普段は全く縁のない通りを歩いてみました。世の中の不景気などどこ吹く風といった感じで、若い人もそれなりに歳を重ねた人も思い思いの買い物をしているようでした。
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私にはちょっと敷居の高いところばかりなので、ウインドウからちょっとのぞくだけですが、もうすっかりクリスマスムード。
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でもさすがにレストランの外のテーブルには人影はありませんでした。パリ辺りだと外のテーブルにもストーブがあったりしますが、そこまでのサービスはないようです。
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クリスマスにはこんな車がプレゼントされるかな?
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タグ:エルマー65
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干し柿を頂きました [その他]

私のブログの「読んでいるブログ(RSS)」欄には、「採集生活(http://blog.goo.ne.jp/fujika_0000?fm=rss)」というブログがありますが、こちらはその名の通り自然のものを採取しながら生活している姿が赤裸々にというか、あからさまにというか、とにかく凄まじい執念を持ってあらゆるものを加工しながら生活されている姿が記録されています。

初めて見たときからパソコンの前で「すっげ〜!」とか、「うまそ〜っ!」と、思わず声が出るほど、その種類も多種多様。いつしかコメントをするようになり、ついつい「干し柿食べたい!」とおねだりしてしまいまいました。
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そうしたらこの一箱を頂いてしまいました。綺麗な透けるような朱色の干し柿が、几帳面に並べられていて食べるのが惜しいほど。でももちろん私は問答無用で、パクっと行かせて頂きました。

あま〜い!それでいてしっかり柿の爽やかな甘さ。美味しいです(^^)/実は幼稚園児代、私は干し柿を食べ過ぎて当たってしまい、その後20年ほどは干し柿が食べられなかったのですが、今ではまた復活。この干し柿もいつまで保つことやら。

一緒に畑で獲れた立派なサツマイモが2本と、大きな焼き芋が2つ。1つはこけしのように大小ふたつのお芋がくっついている、面白い形のサツマイモでしたが、これは今朝のご飯代わりにすでにお腹に行きました(^^;

Fujikaさん、ごちそうさまでした(^^)/

タグ:エルマー65
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日が弱いなぁ [その他]

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連休でのんびりした後は、やっぱり仕事をしなければ。まあ、世の中の人は皆そうしているし、それが普通なんだけど。って、パソコンの画面はどこかのブログってのはお愛嬌ということで(^^;

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でも昨日はTシャツ1枚で歩けるほど暑かったのに、やっぱり日差しは当然だけど弱くなっている。空気も冷たいし冬がすぐそこまで来ているのを感じる。冬の光は硬いのかコントラストが強いような。でも室内を写すといつもとはまた違った雰囲気の写真が出来るみたい。これはこれでいい感じの光だと思う。

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外に出ないのでまた相棒に怒られそうな写真だけど、まあいいか。デジタルだと室内で動かなくてもいろいろ写して遊べるのはやっぱりいいなぁ。でもポライドからデジタルポラロイドカメラがでたり、お気に入りだったコダックのエリートクロームがなくなったりと、時代はどんどん進んでしまう。アナログな道具もなんとか生き残る術があるといいのだけど。

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休日 [その他]

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土曜日から月曜日まで、うちの相棒は連休だったのですが、生憎私のほうは全く時間の余裕がなく、せっかくの連休も残念ながらどこにも行けずに終わってしまった。相棒は庭の雑草をとり、部屋の掃除と洗濯をして、少し本を読んでビデオを観て過ごしていたが、ちょっと申し訳ない気分。夕食には去年のイノシシをばらしたタンと肺、その他の肉を使って野菜と煮込み。タンは塩焼きもうまいけど、煮込んでも柔らかくて美味しい。赤ワインで気分だけのんびりしたけど、まだちょっと落ち着かない。
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葛西臨海公園 [その他]

今日は仕事で荒川下流の東京湾にある、葛西臨海公園に行って来た。そのついでに写真を撮って来たけど、思いがけずに写したくなるようなシーンに溢れていて、ちょっと時間が足りなかった。もっとじっくり写してみたいところだ。しかし蒸し暑くて汗は出るは、ヤブ蚊には食われるはで写真以外は散々だった。
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ズマロン35/3.5

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ニコンD100/トキナー12-24

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ニコンD100/トキナー12-24

ついでにズミクロン90ミリで。
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ズマロン35/3.5

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秋雨前線が南下 [その他]

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急に涼しくなったと思ったら、ここのところ雨が多くなって来て、8月だというのに気分は「秋の長雨」だ。ところが天気図を見ても秋雨前線が南下しているらしく、まんま秋の長雨の状態らしい。今年は季節が一月早いとはだいぶ前から囁かれていたようだけど、この分だと9月には早くも秋の気配が濃厚になるのかもしれない。
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チーズのおみやげ [その他]

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10日ほどフランスに行っていた友人が、カマンベールチーズをお土産に持って来てくれた。チーズが大好きな私達には最高のおみやげで、早速今日の朝頂くことにした。ブルーチーズやクセのあるチーズも大好きなので、このちょっとクセのあるカマンベールも美味しく頂いた。薄い木の板を巻いて作られた入れ物がちょっと高級感があるような気がするけど、味も複雑でクセになりそう。

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先日は細いミョウガがいくつか採れたけど、今日は少しだけ太いミョウガが5〜6本見つかった。久しぶりの雨がここのところ少しだけど降ったのが良かったのかもしれない。葉っぱはもうずいぶん枯れて来ているのも目立つけど、もう少し収穫できるかもしれないのは嬉しい。今日はそうめんの薬味に使ってみようと思う。

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ガリガリ君 [その他]

夏になると走っていてもそうでなくても、ガリガリ君をよく食べる。ソーダ味が多いけど、いまは洋梨が好み。ところで、ガリガリ君は安いという魅力もあるけど、アタリがあるのも大きな魅力。

なぜか私はこのガリガリ君に良く当たるようで、去年は4本当たった。一昨年も2本ほど当たっている。よく食べると言っても毎日のように食べるわけじゃないので、確率的にはかなりいいほうじゃないかと思う。

先日は相棒と走りに行ったときに当たり棒を2本持って行き、途中で食べて来た。残念ながらこのときは当たらなかったけど、当たり棒でもらったアイスが当たったことも1度だけある。本当はアイスじゃなくて宝くじでも当たってくれればいいのだけど、残念ながら3000円が最高。もっとも買うのも年末ジャンボくらいだけど。
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上下逆に持ってしまいました。(^^;棒には「一本当り ガリガリ君かガリ子ちゃんと交換できます。ガリガリ君リッチとは交換できません」と書いてある。
タグ:ルサール
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お礼 [その他]

お祝いを頂いたみなさんへ。
誕生日の後にコメント欄にお礼を書いたのですが、なぜか反映されていなかったので、こちらに改めて書かせて頂きます。
たくさんのお祝いをありがとうございました。
いつまでも仲良くやっていきたいと思っています。[ハートたち(複数ハート)]
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昨日はうちの相棒が友人達と大酒を飲んで来たらしく、夜中の2時半過ぎに帰ってきた。まあそれはいいのだけど、よく見ると首の付け根や乳房の上の方にキスマークが2つ、3つ、4つ・・・。なぬっ!女友達と飲んで来たはずでは?と思ったら、右の派手なオネーさん(友人です)に付けられたらしい。

おまけに人前でふたりしてキスしてきたとか。いやぁ、そっちも行けるとは知らなかった。というよりも、そこまで酔っぱらうかってことですな(^^; 写真はOちゃん撮影。
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古民家のピザ屋 [その他]

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先日山梨に行ったときに、塩山のちょっと町から離れたところにある古民家を利用した「まるげ」というピザ屋に行って来ました。外からは全くピザ屋とはわからない普通の古民家ですが、中にはカウンターとテーブルが3席ほどあるこじんまりとしたイタリアンレストランでした。

「まるげ」という名前はもちろんマルゲリータからとったものでしょう。和風の部屋の中でピザと言うのはなかなか面白い雰囲気でした。味は予想を裏切ってかなり美味しく、値段もリーズナブル。近くならしょっちゅう行きたいと思えるいいお店でした。

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暑い時期は林の中のちょっとした緑が、なんともキレイに見える気が・・・。

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誕生日 [その他]

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今日はうちの相棒の誕生日。一日早いけど昨晩、自由が丘の「七厘」で2人でお祝いをして来た。下の写真で相棒が写したのがこの写真(^^; 古い携帯はピンが悪い。

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出して頂いたのは、金目のアクアパッツァ、フランス産鴨と九条ネギのサラダ(?)、ウニの煮こごり、生トリガイの刺身、新ショウガの甘酢漬け、身欠きニシンの山椒酢漬け、最後にカツカレー。お酒は最初にビールをもらい、十四代、雨後の月、盾野川、もうひとつ名前を忘れたけど活性にごり酒も飲んできた。気に入ったのは十四代。これはうまいなぁ。

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相棒へのプレゼントはクルールショップ(http://st-couleur.com/)で見つけた1940年代のチェコ製グラスで、スズランの手彫り入り。昔ながらの吹きガラス製法で作られた繊細なグラスだ。これにはヤマモモ酒や梅酒を入れて飲んだら美味しそうだし、色もとても美しく私もお気に入り。相棒も気に入ってくれた。このショップはヨーロッパのアンティークがいろいろ置いてあるのでお勧め。ほとんどが1品ものなので雑貨が好きな方はお早めに。(^^)

自由が丘までは遠いので途中で写真を撮りながら。
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昔の記憶 [その他]

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今日のお話はちょっと能天気なこのブログにはそぐわない内容かもしれませんが、ふっと思い出したので書いてみたいと思います。怖い話しではないので、ご心配なく。

いつの頃だったかと考えてみるとそれはまだ35年ほど前のこと。とはいえ、もう35年も経っているのかと感じます。当時私が住んでいたのは東京の外れ、江戸川区でした。「0m地帯」と呼ばれ、ちょっと大雨が降れば道路は水没し、床下浸水なども当たり前の地域でした。年に2度くらいは近くの水門で土左衛門が上がっていて、子供の頃には「見るんじゃない」なんていわれました。当時は夏になると水難事故もときおり身近にあったものでした。

荒川に作られた堤防は高さこそ十分でしたが、まだ砂を板で囲っただけの作りで台風が来れば決壊することも珍しいことではなく、江戸川区は金魚の養殖で知られることもあり、台風の後はその辺の水路で金魚すくいが出来るような時代でした。昭和とはいえ、なんとものんびりした時代です。もちろん大きな台風では家も水没し、家の中から船に乗せられ逃げた記憶もあります。

江戸川区自体が江戸川と荒川によって作られた三角州だと思うのですが、幅10mほどの水路があちこちに走っていましたが、当然水路を渡るために小さな橋が架けられます。ところがそんな狭い水路なのに場所によってはとても橋を架けるのが難しい場合があるようです。

ときには2年、3年と過ぎても橋が完成せずにいたことがありました。さらに時間が過ぎてどうやら太鼓橋のような橋が架かったのですが、当時その橋桁には人柱が使われたと噂が立ちました。実はほんの30年ほど前には東京ですら「人柱」なんて言葉がまだ残っていたんです。他の橋でも、「あそこでは2本・・・」などと噂が出たこともありました。

ことの真偽はわからないというよりも、そんな事実はあり得ないと思いますが、私はそんな噂を聞いても「何年も橋が架けられないんじゃ、そんなこともあるかもしれない」と感じたことを覚えています。どんな人が人柱になるのか、誰に聞いたのか覚えていませんが、工事に当たっていた人夫の中から選ばれたと聞いた記憶があります。当時はけっこうあちこちでそんな話しがあったようでした。もちろんその後人骨が出たという話しは聞いていません。
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夢の話し [その他]

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もう10年も前の話しです。私には7月になるとお台場のテレビ局で夜中から朝までの仕事が毎年ありました。まだ今ほどお台場がメジャーになる前で、ビルも少ない頃からですからざっと10年以上は続けていたように思います。

テレビ局というのは外からの侵入者に対してわかりにくくしてあるらしく、東西南北がどちらを見ても同じ作りで、何度行ってもすんなりとは目的の部屋には行けないようになっていました。

それはともかく、昼間は別の仕事で起きていて、夜は夜で朝までの徹夜仕事と、体力的にも毎年夏は厳しいものがありました。そんな状況なので1人で座って作業をしているとついウトウトとしてしまうことがあるのですが、最初の年は部屋の入り口にどうもチラチラと何かが横切るものを感じました。

私は目が弱いので、疲れて来ると光源が目の動きと反対側に点滅して流れて行くのですが、そんな錯覚だと思っていました。そんなある日、うっかりウトウトしてしたときに夢を見ました。夢の舞台は仕事をしてる部屋で、周りの状況は現実と全く同じ。よくそんな夢ってあるでしょう?

入り口でチラチラ動いていたように見えたのは、やっと小学校に入ったくらいの3人の子供達でした。頭だけを部屋の中に向けてこちらを覗いています。おもしろいのはみんな浴衣なのに、頭にはターバンみたいに布をぐるぐる巻きにしているところでした。

すぐに話をするようになり、追いかけっこしたりして遊んだけど、気が付いたら子供達はうまく動けないみたいです。それに、どうやらターバンに見えたのは頭のケガのようで、気が付けばみんな裸足で、体中酷いやけどや傷だらけでした。

「どうしたの?」と聞いてもそのことについては全然答えず、親もどこにいるのか知らない、3人でいつも一緒にいるという答えでした。彼らの頭の包帯があんまり粗末なので、「いいよ」と断る1人の子供の包帯を半ば強引にほどいたら、彼の頭はもう崩れていてサラサラと溢れて、手の施しようがありませんでした。「ごめんね」と謝って、しかたなくそのまままた包帯を巻いたんだけど、その子は気にする様子もなく、また一緒に遊び始めました。

彼らとの遊びはいつも追いかけっこや、かくれんぼだったけど、迷路のようなテレビ局はそんな遊びにはピッタリの場所でした。でもみんなを見つけられずに、ひとりになってしまうと目が覚めるのですが、その夢はいつも現実なのか夢なのか曖昧なあやふやな記憶として残りました。

そんな夢が3週間のうちに1〜2度、毎年のように5〜6年も続いたある日、たまたまネットで知ったのは、お台場は東京大空襲で多くの人が流れ着いた場所ということ。当時はまだ目立たないように高速の下などにひっそりと塔婆が建ててある場所も残っていて、たぶんあの子供達もここに流れ着いたんだと、自分なりに納得しました。それを知ってからは不思議とその子達は現れなくなっていました。

ちょっと昔の夢のお話でしたが、あの子達は今どうしているのだろう。
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姪達のはなし [その他]

仕事が一段落すると、頭に余裕ができるのかいろいろなことが思い出されて来る。私は怖い話しが好きというわけじゃないけど(どちらかといえば大嫌い)、なんとなく今日はいろいろな話しを思い出すので、私の姪達の話しをさらっと。
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これは相棒がマニュアルカメラで写した私の写真。ファインダーを覗いてもピンがわからないらしく、ちょっとお化けチック(^^; UVトプコール53ミリF2.0

前にも書いたことがあるかもしれませんが、私の兄の家族はお互いの「ちょっと感じる」家系が増幅されて引き継がれたのか、2人の姪、1人の甥がそれぞれちょっと変わっています。一番上の姪は子供の頃からちょっと感情が高ぶるところがあったのだけど、そうすると近くにある耐熱ガラスの器を割ったり、丼を割ったり、湯飲みに穴を開けたり、スプーンを曲げたりしていました。

その姪がまだ4歳か5歳の頃、よく部屋の隅を見ていることがありました。自分からはなにが見えているのかはいわなかったのですが、聞いてみると「いつも同じおじいさんがいて、ニコニコしている」といいいます。どんなおじいさんかひとつひとつ聞いてみると、どうやら容姿からは私のおじいさんに当たる人らしいことがわかりました。

おじいさんは私の子供時代にすでになくなっていたので、これは父の兄弟に心当たりを聞いてわかったことでしたが、おもしろいことに現在の彼女には自分のリアルな記憶としては残っていないようです。聞いても「そうだったらしいね」と答えるのもおもしろいなぁと感じます。

二番目の姪も後から思うとこの私のおじいさんを見ていたのかもしれませんが、中学から高校生の頃に「いつも同じおじいさんがいて不思議なんだよ」と教えてくれたことがあります。彼女いわく、電車に乗っていても、道を歩いていても、バスに乗っても、そのおじいさんに会うと言っていました。特になにかされるわけでもなく、ただ見ていたりすれ違ったり。彼女の目には家の中にはいなかったといいますが、外に出るといつも見守るように近くにいたようです。最初は「おかしいなぁ」と思ったようですが、そのうちに馴れてしまい、彼女も高校を卒業する頃にはおじいさんの姿を見ることはなくなったようでした。

3番目の甥は何かが見えるわけじゃなく、体に触れると悪いところがわかるらしい。触ると自分の体に痛みがあり、痛みの出たところが相手の悪い部分らしい。それは頭痛だったり、肩こりの軽いものから、内蔵など器官の悪い部分だったり。ところが彼も二十歳を超える頃からだんだんとわからなくなったという。

こうしたちょっと変わった経験は年齢が小さいときのほうが強いのだろうか。トンネルの中で「上にお姉さんがいる」と天井を見ている子供や、壁の中に何かを見ているのは子供が多い気がする。
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 [その他]

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今日はやっと仕事が一段落した。曇りで今一つの天気だけど、午後からはちょっと走ってくるつもり。その前に亀達にご飯をあげていたら目の前に風に飛ばされそうなアゲハチョウが。あわててズミクロン90を付けて写してみた。よく見るときれいな蝶だなぁ。
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1周年(^^)/ [その他]

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キャノンLマウント 50ミリf1.4 開放

昨日から一泊で仕事で宇都宮へ行って来ました。名物の餃子を食べながらふと考えたら、今日がこのブログを始めて丸1年でした。つまらない旅と写真のブログにもかかわらず、幸い多くの方に来て頂いて楽しく続けることが出来ました。この先も出来る限り続けて行こうと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。

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キャノンLマウント 50ミリf1.4 開放

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オートリケノン55ミリf1.4(注・ヌード有り) [その他]

リコーのレンズにオートリケノン55ミリ、f1.4というレンズがあり、私はすごく気に入って使っているのですが、ネットでちょっと調べると「バキバキのかっちりシャープなレンズ」という評価が多いようだ。「和製ズミクロン」という評価もあるようだが、それを否定するコメントも多い。

古いレンズでもあり当時の性能でないものも多いのだろうし、評価の基準も人それぞれだとは思うけど、あまりに自分の印象とは違う評価が多いのはちょっと驚いた。少なくとも私の持っているリケノンレンズは、f4.0辺りまで絞ればシャープになるのはもちろんだけど「カッチリバキバキのシャープ」とは言い難く、むしろまるで反対のレンズだ。人の評価とは面白いものだと思う。

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コンタックスで使っていたM42レンズのひとつ、オートリケノン55ミリ。普通のレンズだけど、ちょっとだけ長いので自分の中では室内用ポートレートレンズ。それに、このレンズしっとり写るところが気に入っている。コッテリ系かもしれないので、基本的にフレクトゴンや凹ウルトロンと同じ傾向だと思って使っている。モデルが今ひとつだけど、カメラマンも今ひとつで、こんな写真しかだせませんが、過去にもリケノンの写真がでているので、興味があればタグで戻ってみてください。
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以前はよく相棒のヌードを撮らせてもらった。最近はシャワー上がりをいいかげんに写す以外は全然撮らなくなってしまったけど、また写してみたいなぁ。芸術写真なんてカッコいいのは撮れないけど、なんとなく普段の部屋の中でのヌードって、ちょっと気に入っている。このレンズ、ボケもなかなか良いと思う(一応本人の了解済み)。

ヌード写真は中傷があり、残念ですが削除しました。
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古着屋さんの店内 [その他]

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ズマール50ミリ f2.0

先日、相棒と2人でときどき行く古着屋さんを覗いてみた。女物ばかりなので私にはほとんど縁がないけど、コットンやシルク、質のいいウールの服を見たり触ったりするのは嫌いじゃない。この日は相棒が格安のショルダーバッグとカシミアのカーディガンを買って、私は珍しくビーズのブレスレットをプレゼント。でもナイロンの糸が切れていたので、ビーズがばらける前に修繕しなくちゃ。
タグ:ズマール
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明日は晴れ! [その他]

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エルマリート28ミリ f4
今週は近年にない仕事の能率の悪さで、最悪今朝には終わるはずのものがまだ6割も残っている。今週は気分も乗らず、「怖かった話し」で気分転換をしすぎたのかもしれない。今晩は徹夜してでも終わらせなければと思っているのだけど、すでに頭は動かない。幽霊の祟りだろうか?(^^; ←しっかり働け!

明日は1週間振りにちゃんと走ろうと思っていたのに、また走れそうもない。月曜日からは大阪に行かねばならないし。次の日曜日にはレースだというのに、練習もままならないのは精神的にも良くないなぁ。

(夜に追記)
今日はまた温かな一日だった。早くから天気もよくて恨めしい午前中。「こんないい天気ななのに、いつまでも椅子の上にいられるか!」と、午後はちょっと仕事をほっぽり出して、100キロばかり走って来た。これで少し気分も晴れたので、良かったかな。でも明日は早朝から大阪に向かうので、今晩中にやっつけなければ。終わるかなぁ(^^;


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親父の提灯 [その他]

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このレンズ、ズマールだったかヘクトールだったか忘れちゃいました(^^; でもたぶんズマール

今週は「怖かった話し」を続けたけど、今週最後にもうひとつ短い話しを。(ちょっと書き足しました)

私の父と長男の兄はいろいろ難しいことがあって、同じ屋根の下にいたくないほど仲が悪かった。その関係は父が亡くなるまで改善されることはなかったが、たぶん2人ともどうにもしようもない事だったのだろうと思っている。

父が亡くなったのは12月に入院して1週間後の事だった。そして最初のお盆を迎えた夜のこと。外で迎え火を焚き、その火をローソクに移して提灯に入れた。この辺りでは、そうして移した火を仏壇に持って行く。兄が提灯を持って10mほど歩き、玄関に一歩足を踏み入れたときの事。提灯の火がプツリと消えた。

提灯の灯など風に吹かれても間単に消えるもんじゃない。なのにいきなり消えてしまったのだ。兄はすぐにライターで火をつけてとり繕っていたが、私はそれを見て「あ〜、親父は今でもここの家には入りたくないんだぁ」と、妙に納得したのを覚えている。

そういえばいま思い出したけど、親父が息を引き取ったのも、集まった親族が親父の容態の変化がないからと病室から出て行き、室には私1人になったときだった。まるで見計らっていたかのようなタイミングだった。もう意識もない状態と言われていたが、私が声をかけたときだけはわずかに反応していたので、耳は聞こえていたんじゃないかという気がする。もっとも、出来の悪い息子が気になって、死にきれなかったのかもしれないとも思う。

もちろんこれはどちらも偶然が重なっただけで、提灯にしてもたまたま空気の流れがローソクを消したに違いない。でも、そうした偶然のなせる技というのは、ときに驚くようなタイミングで起こったりする。・・・・いや、考えてみれば、そうしたタイミングに起きた偶然だけが記憶に残るから驚くのかもしれないな。
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怖かった話し・4 [その他]

たぶんこれまでにはいろいろ恐い思いをしている私ですが、以前は霊などは全く信じていませんでした。ところが世の中けっこう不思議なことってあるもので、少しづつそういうものもあるのかもしれないと思うようになりました。その最初のきっかけが何だったのか記憶にはありませんが、いくつか思い出したことがあるので、今日はその話を。

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ヘクトール5センチ f2.4
私の少ない友人にNさんという人がいるのですが、彼とはもう30年以上の付き合いになります。そのNさんを可愛がっていたおばあさんが亡くなったのは、もう30年近くも前でしょうか。

葬儀を済ませ、Nさんのごく親しい友人Sさんと私が、Nさんの部屋に泊まることになり、いろいろ話をして夜を過ごしていました。季節はまだ暑くなく、春先だったように思います。夜も更け、そろそろ寝ようかということになり、電気も消して布団に入りますが、まだ若かりし頃のこと、すぐには眠りにつけません。誰とはなしに恐い話しを始めました。

「こんな話をしていると、霊が集まるんだよ」とどちらかが言った記憶がありますが、私は「そんなことあるかい」って声には出さず、考えていました。と同時に「もし本当にここに霊が集まっているなら、その窓を開けてみろよ!」と思ったのです。もちろん口には出さなかったのですが、後から思えばちゃんと言っておくべきでした。もちろん閉まっているのは確認しました。

それから1時間ほど、それぞれが聞きかじった恐い話しなどをして、いよいよもう寝ようということになったとき、「そういえば窓はどうなったかな?」と、私は思い出しました。内心は「どうせ開いている分けないさ」と思いつつ、窓に目をやった私は一気に眠気も吹っ飛びました。

二階のNさんの部屋の窓は、しっかり5センチほども開いていたのです。もちろん外からは開けられず、私達は全員布団の中。窓が開いた理由はなにも考えられませんでした。もちろんすぐに彼ら2人にこの経緯を話しましたが、「最初から開いていたんじゃないの?」と取り合ってくれませんでしたが、現実は現実です。それからは少しだけなにかわからないものがいるのかもしれないと思い始めました。
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恐かった話し・3 [その他]

私のこれまでの人生で経験した、一番恐い話しを書いておくことにします。ただこの恐さは自分だけのものなので、その場にいない人に伝わるのか心配ですし、そもそも恐い話しなのかも疑問ですが、お付き合いください。(文末に一言添えました)

伊豆半島には比較的良く出かけて行く。温泉もあるし魚介類も美味しい。旅行でも仕事でも何かと縁のある地域でもある。そういえば伊豆半島では何カ所か怪しいところがある。たとえば旧天城峠のトンネル。ここでは変な写真が撮れてしまったこともあるし、近くの宿ではやたらと金縛りに合うこともあった。まあ金縛りなんてのはあまり気にはしないので問題ない。

私に仕事を出してくれる会社の寮も伊東市の川奈にあり、4年ほど前に1泊の仕事で泊まらせて頂いた。川奈ゴルフクラブで有名で、別荘地としても知られたところだ。山の斜面に作られた別荘地の寮は海が見下ろせる3階建てで、2階が入り口、上と下に部屋がある立派な作りだった。

川奈.jpg

玄関に車を寄せると荷物を持って降りる。が、どうも寮の向かって左手が気になった。別に不審なものがあるわけでもなく、斜面の他には寮の1階部分の壁と剥き出しの骨組みが見えるだけだったが、気になる部分を見たにもかかわらず、なにか忘れているような、やり残しているような、確認せずにはいられないような、気持ちの落ち着かない妙な気分だった。

しかし他の仲間に続いてすぐに中に入ったこともあり、違和感はすぐに忘れてしまった。玄関を入るとすぐに大きなフロアで、そこが居間であり食堂だった。火が使えないので夕食は全て外からの配達だったが、世話をしてくれる口数の少ない老夫婦がいた。

部屋数は多く、3階と1階に別れて好きなところを選んだが、なぜか1階は部屋が2つあるにも関わらず、1つの部屋にすでに布団が2つ敷かれていて、ここだけは2人で寝るように用意されていた。特に不審とも思わず、「布団しかなくて楽だ」くらいの気持ちでその2人部屋に荷物を置いて、奥にあるトイレに入った。

目の前に小さな鏡が掛かるごくありふれた流しとトイレ。便座に座るがどうも落ち着かない。なにやら辺りの空気が重いと言うか、闇が迫ると言うか、明かりも点いているのにどこか視野が狭いように薄暗く感じるのだ。「なんか暗いなぁ」と思いつつも用を済まして目の前に付いている鏡を見ながら手を洗う。右には和室があるが、「部屋があるじゃん」とは思いつつも、特に気にはしなかった。

寮には温泉が引かれていて、すぐに汗を流して夕食をすませると、お酒を飲み、いつしか夜も更けて12時を回っていった。世話の夫婦も火に注意するようにいうと帰って行き、昼間の疲れも手伝って、それぞれの部屋に帰って行く。私も友人と部屋に戻り、「野郎どおしで枕を並べても色気ねえな」などといいながら電気を消し、目をつむり友人に背を向けた。

すると、いきなり強烈な恐怖感に襲われた。後ろには友人が寝ているが、子供でもないのにとにかく恐くて目が開けられない。一体なにが恐いのかさえもわからないが、こんな経験は生まれて初めてだった。かといって恐いほうに背中を向けてしまう勇気など、とてもじゃないがでてこない。そんな曖昧な感覚じゃなく、モーレツな恐怖感だ。

ふっと、寮に着いたときに感じた違和感を思い出した。その方向はまぎれもなく、違和感を感じた寮の左そのものだったのだ。とにかくそのまま体の正面を恐怖感の来る方向に向けておくことができず、なんとか上を向くだけ動くのが精一杯。階段を上がって行く勇気もでない。とにかく布団1枚でもいいから体を覆っておきたいくらいの恐怖感だった。信じられないことに、友人はなにも感じないのかすでに寝息を立てている。

恥ずかしいなどと言っていられる状況じゃなく、「恐い」・・・「恐い」と声に出していると、友人が「ああ、なんか変ですね。外もオレンジに光っているし」と答えてくれるが、言葉とは裏腹に気にはしていないようで、すぐに寝てしまう。特に音がするわけでもない、なにかされるわけでもない、ただただ不気味な恐怖感だけが強烈に襲って来る。こんなことがあるんだろうかと思うが、現実にストレートに恐怖感が襲って来るのだからどうしようもない。

ぴくりとも動けず頑なに目をつぶり、上を向いている。繰り返し背中がゾクゾクして冷や汗が体中に出てくるが、気にするどころじゃない。神経がやたら敏感になり、聞き耳を立てるが動くものは感じない。長い長い時間が、1時間、2時間と過ぎていく気がするが、目も開ける勇気がなく時計など見られるわけもない。

それでも緊張が続いた疲れで、いつしか寝入ることができたのはラッキーだったのかもしれない。ぐったり疲れて翌朝食堂にあがると、3階に寝ていた友人が「でた?」と一言。『???』意味が分からない。また「出なかったの?」と言ったときに、ハッとした。「やっぱりでるんだ。見た?」と来た。

どうやらここには女性の幽霊が出ると言われているらしい。そのために下の階だけ2人以上で寝るようになっていたのだ。知っているやつらは当然上に寝たわけだ。実際にはトイレの横の和室にでるらしく、その部屋での目撃者が多いと言う。今ではその和室だけは使わないのだが、私が感じたのはその部屋からではない。壁の外から突き抜けて来るような恐怖感なのだ。いろいろ聞けば管理をしている夫婦も見ているようだった。

危害は何も加えられてはいないし、目を開けられなかったので、なにも見ていない。音もたぶんしないが、気配だけはいままでの経験の中でも飛び切り強烈だった。恐い話しは嫌いなので、怪談話などを聞かされれば暗闇が恐いってことはままある。臆病風に吹かれるってやつだ。でもそんな気持ちは全くないところに、いきなりの恐怖感がドーンというのは初めてだ。

普通は何かを見たり、寒気を感じるほうが先だと思う。これまでいろんなものを見て来たけどあんな恐怖感は初めてで、もう絶対にあの寮には近づかないつもりだ。


今日(3月3日)になってというか、昨夜も寝る前に考えたんだけど、あの怖さはどんな種類の怖さだったのか、考えてみた。たぶん(怖くて見ていないけど)、近いのは「貞子」が自分に向かってにじり寄ってくる感覚かも。目を開けてしまうと、なにかが見えてしまいそう。でも開けなくてもじわじわと迫って来るみたいな、そんな感じかなと思う。「目の前に包丁を持った暴漢が現れていまにも刺されそう」ってのとは違う気がする。

長々とお付き合いありがとうございました。
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恐かった話し・2 [その他]

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「恐い話し」じゃなくて「恐かった話し」など、誰も興味を持たないかもしれないけど、私にとっては何とも不可解で背筋に寒気が走った思いをしたことがいくつかある。大抵はすぐに忘れてしまうのが私のいいところでもあるが、ときになにかのきっかけで過去のそうした思いが溢れてくることがある。まさしく今がその時らしい。しばしお付き合い頂ければと思います。

あれはもう8〜9年前の9月中旬。福島県と新潟県の境に近い奥会津に渓流釣りを兼ねてキャンプ(しらかば公園キャンプ場)に行ったときのことだ。9月末の禁漁を前にいい釣りができればと、何度か訪れたことのある川だった。

小さな渓流で魚影は濃くないものの、サイズと形のいいヤマメやイワナが釣れるので気に入っていた川だ。ポツリポツリと釣りながら上流に上がって行くが、週末だというのに人影がない。珍しいこともあるものだと思うが、先行者がいないのは小さな渓流釣りではありがたい。

夏の日差しは川面を覆う木立で遮られ、水の冷たさと相まって夏を忘れるほど気持ちがいい。しばらく釣り上がると、目の前の小さな岩の上にGショック(腕時計)が唐突に落ちている。いや、置いてある?水面からわずかに出ている岩の上なので、ちょっと水位が上がれば水没してしまいそうで、理由がわからない。

もちろん辺りに人影はなく、川辺に足跡もない。ベルトは外れておらず、しっかりと輪になっているので、腕から滑り落ちたものではないようだ。「変なの?」と思いながらもそれを拾い、動いているのを確かめるとポケットに入れた。気分的にはちょっと気味悪いけど「もうけちゃった」ってもんだ。

さらに進むと川は浅くなり、水深はわずかに足首を隠す程度になった。そこで不用意にポケットから出したヴィクトリノックスのナイフを落としてしまった。川は白い砂地で水深は5センチ程度。浅いぶん流れは速いが足をとられるほどではなく、赤いポケットナイフはすぐに拾えるつもりだった。

ところが水は澄んでいて全てが見えるのに、足元に落としたナイフが見つからない。そばにいた相棒にも探してもらうがない。「えっ、どうして?」と思うが、底が浅く透明な川に落とした、真っ赤なナイフが見つからないのだ。

流れに乗って少し下流に流されたとしても、ナイフの重さと水量、水流を考えれば1mも流されるとは考えられない。「いや、落ちた拍子に砂が巻き上がり、埋もれたのかもしれない」とも考えて、軽く足元の砂を払ってみたが、無駄だった。

「狐につままれたようだ」とは、こんなことを言うのだろうか。しばらく2人で探したが、それ以上探しようもないので諦めたが、初めての海外旅行で買った20年以上も愛用していたナイフだけに、見つからないのがショックだった。

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水の冷たさに寒くなった相棒を先に川から上がらせて、気を取り直し上流に向かうが、変な雰囲気になって来た。背中に視線を感じるとでもいうのか、どこからか誰かに見られているような気がするのだ。ときどき振り返っては人影を探すが、見当たらない。

この川は両側が10mほどの崖になっているので、すぐに川から上がることができないが、そのぶん見通しのいいところも多い。釣り人が川に降りたくて崖の上にいるのではとも考えて崖の上も探すが、やっぱり誰もいない。

集中力がなく気持ちが削がれるのか、魚も釣れなくなってしまった。しかし相変わらず川の雰囲気は良く、いかにも釣れそうなポイントが続く。「あのヨレの底なら・・」、「あの岩の影なら・・・」と釣り続けるが、ぴくりともアタリがない。

諦めずにしばらく進むと目の前に大岩が現れて、その岩を巻いていいポイントがでてきた。「ここで出なけりゃ、もうこの川に魚はいないよ」、そんな絶好のポイントに見えた。ところがその絶好のポイントを前に足が止まった。釣る気持ちは十分、こちらからは見えないが大岩の先を曲がれば最高のポイントが待っているはずだった。

しかし気持ちの中に「先に行くな!」という強い思いが突如湧いて上がったのだ。「そこを曲がるな!」と誰かが言っているような、強い否定感を感じた。「え〜っ、ここなら絶対釣れるよ!」という気持ちも強く、大岩の手前からルアーを投げてみるがいいポイントには届かない。

恥ずかしながら、釣り人の「釣り欲」はかなりのものだ。それでも釣りたい気持ちよりも、「先に行くな!」という強い否定感が勝って戻ることにした。帰りの道中は全く釣りをせずに川から上がれる場所を探したが、その間も変な視線を感じたままだった。

やっと川から上がり暑い日差しが真夏を思い出させたが、長袖の下には鳥肌がいつまでも消えず、夏の日差しの中で背中はブルブルと震えていた。いつしか視線も感じなくなったが、拾ったはずの腕時計もいつのまにか消えてしまっていた。

いまでもごく稀に「もしもあの先に行っていたらどうだったんだろう?」と思い出す。見事な大ヤマメが釣れたのか、やっぱり何も釣れずにガッカリしたのか、あるいは足を滑らせて水没したのか。たぶん釣れずにがっかりするだけだっただろうとは思う。

ただ、臆病者の私は、もしもあのまま大岩の角を曲がっていたら、こちら側には二度と戻って来れなかったのではないかという気がしている。あれ以来奥会津には何度か向かったが、その川には立ち入ってない。

そういえば、こうした「誰かに見られている」って感じるときは、昔の人は「天狗に見られている」と言ったんじゃなかったかな?たぶん見えない目に見られているので、そんなふうに感じる人もいたんだろう。
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